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1.自然破壊と浪費の愛知万博
2.愛知万博計画の経過
3.万博見直し運動の経過と成果
4.万博中止の運動を旺盛に展開しよう
5.万博問題資料集

万博中止の運動を旺盛に展開しよう

 BIEの登録承認によって、愛知万博問題は新しい段階に入りました。国際博覧会を規定している「国際博覧会に関する条約」(1988年改正条約)の第5条は「国際博覧会の開会日及び閉会日並びに全般的な特徴については、登録又は認定の時に確定するものとし、国際事務局の同意がある場合を除くほか、変更はできない」としています。このことは、登録承認によって、万博計画が国際的に認知されるとともに、計画を大幅に変更するためには、国際事務局の同意が必要であり、原則的には大幅な変更はできないということです。
しかも、開催まで4年をきった時点なのに、何ら問題の解決の方向も示されていません。愛知万博計画は白紙撤回、中止して開催を返上すべきです。

万博は中止できます―都市博は開催10カ月前に中止

 「いまさら、中止できるの?」という声がありますが、十分可能です。
東京都の世界都市博覧会は、96年3月から臨海副都心の開催が閣議了解されていました。しかし、都市博中止を公約に掲げた青島都知事の誕生により、開催10ヵ月前の95年5月31日に中止を決めました。日本共産党の志位書記局長(当時)は、「青島都知事の勇気ある決断を心から歓迎したい」とコメントを発表しています。
都市博の総事業費は約2000億円。東京都の支出は830億円になる予定でした。中止による損害賠償は600数十億円といわれていましたが、損害賠償を求めた出展国はわずかでした。ムダづかいを中止した青島都知事の決定を多くの都民は歓迎しました。
「日本が国際信用を失うのでは?」とのご心配も無用です。万博開催中止は、国際的に認められた正規の手続きです。BIEに登録承認された万博計画の一般規則には、「博覧会の開催を取りやめた場合には、参加契約書を取りかわしたBIE加盟国に対しては、正当と認められた費用を補償しなければならない」と、博覧会の開催中止の場合の手続きが記載されています。
道理ある開催中止は世界の支持をうけています。ハンガリー政府(当時)が、住民の反対と財政問題で94年7月に万博開催中止を決定したことに対し、参加を予定していた国の多くが理解を示しました。参加予定28カ国のうち14カ国は「賢明かつ現実的な決定」、数カ国は「参加準備を具体的にしていなかったので安心した」などの意向がハンガリー政府に伝えられました。日本も、河野外相(当時)が「ハンガリー政府の信用を高めるでしょう」と述べ、ハンガリー政府は賢明な決定をしたとの態度を表明しました。
「環境万博」といいながら、環境破壊の計画をすすめるのではなく、中止する英断によってこそ、日本の国際的な権威は高められることでしょう。

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万博を中止すれば、くらしを応援する予算がふえます

 「万博を開催すれば、少しは不況の打開に役立つのでは?」という期待があります。確かに、一過性のイベントですから、少しは人が集まり、経済効果が期待できるかもしれません。しかし、問題は、万博開催のために、経済効果を上回る浪費がされて、財政破たんがすすみ、地域経済が疲弊(ひへい)するということです。
その端的な実例が、98年に行われた長野の冬季オリンピックです。オリンピックによる経済効果は1兆3000億円余と民間研究所によって試算されていました。しかし、オリンピックの関連事業へのばく大な負担や建設された施設の管理・運営費で、長野県財政、長野市財政は破たんし、オリンピック後の建設業界の倒産・解雇や大型店、ホテルなどの撤退、一般スキーヤーの減少により、地域経済はめちゃくちゃにされました。
愛知万博に国と自治体が負担する税金は2000億円以上です。くらし中心にきりかえれば、特養ホームなどの福祉の基盤整備ができ、大型事業よりも中小企業の仕事が増え、雇用も拡大できます。

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県民の世論は中止の方向。県民多数の署名を集める大運動を

 県民の世論は万博計画中止の方向にあり、万博中止こそ、県民の福祉・くらしを守り、県民の要求を実現していく確かな保障です。万博中止を求める国内外の圧倒的な運動をつくり、大規模な住宅建設を中止させたように、万博を中止においこむために、日本共産党は次のような活動をすすめます。
「あなたの身近な要求を実現するために」「あなたのくらし・福祉を守るために」万博を中止しようというのがポイントです。また、21世紀は環境の時代“環境を守ろう”の時代の要請にこたえる運動です。日本共産党の支部ごとの要求実現運動と結びつけて万博問題に取り組むようにします。
このパンフレットや愛知万博の現計画の中止、白紙撤回を求める署名を使って、広範な県民との宣伝・対話にとりくみ、愛知万博中止の世論を大きく広げます。
「海上の森」や「愛知青少年公園」の自然を守る運動、東部丘陵線の建設に反対する運動など、愛知万博にかかわる様々な角度での住民運動があります。こうした住民運動に積極的に参加し、国、県、協会を包囲します。
BIEやその加盟国、愛知万博に出展表明をしている国や団体、WWF、IUCNなど、国際的な自然保護団体へ、万博計画をめぐる状況と問題点、万博中止・撤回を求める日本共産党の書簡を送り、国際世論を喚起します。

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