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1.自然破壊と浪費の愛知万博
2.愛知万博計画の経過
3.万博見直し運動の経過と成果
4.万博中止の運動を旺盛に展開しよう
5.万博問題資料集

万博見直し運動の経過と成果

 市民団体、自然保護団体、県民とともに、万博を見直す運動の先頭に立ってたたかってきました。そして、万博計画がBIEで登録承認され、新たな段階をむかえて以後は、万博計画の中止、開催返上を求めて運動をすすめています。

国会、県議会、地方議会で論戦をリード

 日本共産党は県議会など地方議会で環境、財政、県民合意の視点からたえず問題点を指摘し、県民の立場での万博計画の抜本的見直しを求めてきました。
96年に衆議院比例代表東海ブロックから3人の議員が選出され、ただちに国会でも論戦を行い、万博特別措置法には反対の論陣をはりました。98年参院選で、八田議員が愛知選挙区から選出され、その後は参院決算委員会などでたえず万博問題を追及し、当局を大きく追い込む力となりました。
同時に日本共産党は、万博の事態が進展するごとに見解を示し、国や県、協会に申し入れをし、県民に宣伝するなど、論戦をリードしてきました。オオタカの営巣が発見された時に作成した、オオタカ全身の写真入りポスターは多くの県民の注目と共感をよびました。

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市民団体、自然保護団体との共同

 日本共産党は、「瀬戸環境を考える連絡会」や「万博アセス市民の会」など市民団体、自然保護団体との共同した取り組みを重視し、多くの日本共産党員が積極的に運動に参加し、県民世論を広げる先頭に立ちました。また、日本共産党が参加する「革新県政の会」が、万博見直しの運動で奮闘しました。
97年の県民投票を求める運動では、市民団体の要請を受け、日本共産党も積極的に運動の成功に協力しました。2000年の県民投票を求める運動は文字どおり、市民団体と一体となって取り組み、30万人余の署名を集めました。
そして、佐々木衆院議員、瀬古衆院議員、八田参院議員の誕生につづいて、99年の県知事選では、市民団体との共同で、万博見直しを求める影山健知事候補を先頭にたたかい、約80万人の県民の支持を得ました。さらに、いっせい地方選挙で日本共産党県議団が倍加(現在は3名)してからは、国会議員団、県議団を先頭にした、日本共産党を含む「革新県政の会」と市民団体、自然保護団体との共同や自然保護中央3団体(世界自然保護基金日本委員会、日本自然保護協会、日本野鳥の会)との連携がいっそうすすみ、運動が広がりました。BIEの厳しい批判をうけて、市民参加で万博計画を検討する「愛知万博検討会議」を設置するにあたっても、日本共産党と「革新県政の会」は、地元の市民団体と繰り返し話し合いを行い、地元の市民団体が団結して代表を「検討会議」に送り出すことに成功しました。「検討会議」は万博による「海上の森」の利用を大幅に縮小させる上で大きな力を発揮しました。これは、地元の市民団体が団結して市民集会を開いて「検討会議」に参加した代表を励まし、市民の声でささえた結果です。
こうした取り組みは、今日、地元の市民団体44団体が結集する「愛知万博中止を求める会」結成や「愛知の環境と開発を考える市民フォーラム」設立などにつながっています。

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国際的な世論の喚起

 日本共産党は、BIEや世界自然保護基金(WWF)をはじめとした国際的な自然保護団体に働きかけ、愛知万博問題を国際的な世論で包囲することを重視しました。
日本共産党は、市民団体とともにつくった代表団や「革新県政の会」で、96年6月、99年12月、2000年2月、5月、10月、12月、2001年3月と7回にわたって、代表団をBIEやWWF、国際自然保護連合(IUCN)、ハノーバー博事務局などに送って、環境、財政、県民合意の3点から繰り返し愛知万博の問題点を訴えてきました。それ以外にも、愛知万博問題が進展するごとに書簡やメールをこれらの諸団体に送ってきました。こうした取り組みの中で、これらの諸団体を中心とする国際世論の高まりが万博見直しをすすめる大きな力となりました。1999年来日したBIEのロセルタレス事務局長は「反対派からいつも書簡を受け取っている。2〜3年前はよく彼らの主張が理解できなかったが、今はよくわかる」と発言しています。2000年に行われた第2回世界自然保護会議では、環境破壊にならないような万博にするために「BIEが2005年に愛知県で開催される国際博覧会が環境に配慮した万博となるよう、日本政府に対し引き続き適切なアドバイスを行うことを求める」という勧告を決議したことは、国際的世論の高まりのあらわれといえます。
こうした取り組みが、新住事業の中止、道路建設の見直し、2000年5月のBIE登録の断念につながりました。2000年12月のBIE総会で登録承認される際にも、ノゲス議長は承認を求める前に「市民との対話をひきつづき続けていくことが重要」と市民の声を反映させるプロセスを重要視する発言をしています。

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万博見直し運動の画期的成果

 この間の万博の中止を含む見直しの運動は、いくつかの画期的な成果をうみだしました。 その1つは、「海上の森」を守ろうという県民の声にこたえた運動の中で、万博開催後に「海上の森」で、大規模な住宅建設をすすめる新住宅市街地開発事業の中止や、「海上の森」を縦断する、名古屋瀬戸道路の計画の大幅変更をかちとったことでした。
国や愛知県は、長期的な地域整備と一体となった万博開催を強調し、自然破壊や採算性のないムダな開発事業の計画をすすめ、県の都市計画決定手続きをすませ、国の承認をえるところまできていました。国内外の世論とタイアップした日本共産党と市民団体、自然保護団体の取り組みが、開発計画について国の承認手続きを取り下げさせ、計画の中止に追い込みました。この成果は、「藤前干潟の保全」とあわせて、全国の運動を励ますものになりました。マスコミも『公共事業見直しの前例』と評価しました。
2つ目には、「海上の森」での万博の利用を最小限におさえたことです。当初の万博計画は、「海上の森」全体を利用する計画でしたが、登録された計画は、「海上南」「海上西」地区の一部を利用するという、当初から比べれば、数十分の1の利用にとどめることになりました。「海上の森」はオオタカをはじめとした約3800種の動植物の生息する大切な里山であり、名古屋市という大都市の近郊にあって、多くの県民が自然に親しむことのできる貴重な場所です。この里山を県民の力で実質的に開発から守ったことは画期的なことでした。
3つ目には、環境影響評価法の精神を先取りした環境影響評価の実施を、日本共産党と県民の力ですすめさせたことです。「万博アセス市民の会」を中心とした市民団体は、「環境万博」であるならば、きちんとした環境影響評価を行うことを求め、関連事業についても連携させることを要求してきました。万博のような一過性の事業については、環境影響評価法でも、環境影響評価の対象にはなりませんでしたが、旧通産省による要綱を策定、実施させました。これは、これまでの日本における万博開催ではなかったことでした。
4つ目には、愛知万博の環境や財政、県民無視の問題点を県民の中に明らかにし、国や県の暴走に歯止めをかけてきたことです。
国と県は、登録された計画のままでは万博が失敗すると判断し、財界の要請で堺屋氏を協会の最高顧問にすえ、愛知万博を巨大イベントに軌道修正しようとしましたが、日本共産党と県民の運動は、これを許さず、わずか3ヵ月で堺屋氏を辞任に追い込みました。

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