1.税金の巨大なムダづかい中部国際空港 2.中部国際空港問題の経過 3.空港見直し運動の経過と成果 4.空港中止の運動を旺盛に 5.空港問題資料集 |
空港見直しの運動の経過と成果
日本共産党は、82年に県の第5次地方計画に空港計画が位置づけられて以来、空港計画の問題点を指摘し、見直しを求めて申し入れや論戦を行い、市民団体、自然保護団体と共同して、たたかいをすすめてきました。
国会、県会、地方議会で論戦をリードし、新空港建設の問題点を明らかに
91年には、愛知県委員会、県議団、知多地方議員団連名で「全体像説明段階での問題提起」を発表し、国際空港に対する国の責任を明確にすること、空港建設の必要性、建設予定地選定の詳細の公表、伊勢湾漁業振興の可能性、環境調査の公開、調査結果によっては計画を白紙撤回することを求めました。日本共産党はその後も、新空港建設を前提にした「前島構想」の撤回の申し入れや、「6次空整」、「7次空整」に対する日本共産党の見解の発表・見解にもとづく申し入れを国に対して行ってきました。
97年3月末に「5点セット」が公表されると、日本共産党は6月に「常滑沖建設を不動の前提とし、県民生活を圧迫する莫大な地元負担を強いる中部国際空港計画案の根本的見直しを求めます」と、計画の財政負担、地域開発、環境、「一元化」問題などの問題点を指摘し、立地の再検討を含む計画の根本的見直しを求める見解を発表し、関係機関への申し入れを行いました。この年の10月には,日本共産党として大規模な関西国際空港の調査を行い、その結果をふまえて申し入れも行いました。
県議会では、空港の調査特別委員会に日本共産党の議員が所属し、新空港計画の問題点を追及してきました。国会では、平賀前衆院議員、瀬古衆院議員、八田参院議員が、運輸委員会や決算委員会などで繰り返し新空港建設の問題を指摘し、いまや国会においては、新空港を、国際ハブ空港とはいえなくなっています。
日本共産党は98年以降、新空港建設に向けて県と空港会社が具体的な手続きを進めるたびに、環境、財政問題はもちろんのこと、談合問題、収賄問題などの問題点を指摘し、漁業者との懇談を行うなど、県民とともに見直しの運動をすすめてきました。県財政の悪化の事態もふまえながら、2001年7月には、新空港建設中止の態度を明らかにして、新空港建設中止の署名に取り組んでいます。
新空港建設見直しを求める住民運動との連携、協力
空港建設予定地とされた、常滑市や知多半島では、早くから、住民による空港問題に対する取り組みが行われました。知多半島全域を対象とした「常滑・空港を考える会」をはじめ、「海を漁民の手にとりもどす会」、知多半島横断道路建設に反対する市民団体、常滑市の住民投票を求める市民運動、「日本野鳥の会」の運動など様々な取り組みが行われ、日本共産党は常滑市議団、知多地方議員団を中心に積極的に連携、協力してきました。
98年には、日本共産党は、現名古屋空港の定期航空路線を中部国際空港に一元化し、事実上の廃港に追い込む動きに反対する豊山町の住民や、航空機騒音問題に抗議する美浜町の住民と協力して、空港建設にかかわって住民投票を求める直接請求運動をすすめ、必要数を大きく上回る住民の署名を集めました。99年には、土砂採取予定地の幡豆町で、豊かな自然を破壊する土砂採取に反対する町民有志らが「幡豆町の将来を考える会」をつくり、地権者らが土地トラスト運動に取り組みました。
こういう動きが県内で活発になるにつれて、県内の空港問題のネットワークをつくろうという動きが起こり、99年9月、「中部空港建設の見直しを考えるネットワーク(略称、中部空港見直しネット)」が設立され、日本共産党の県議がネットワークの運営委員会に参加するなど、積極的に連携しています。「中部空港見直しネット」は、繰り返し県や国に対しての申し入れや、空港問題の全国集会、シンポジウムなどを行って、空港建設見直しの世論を喚起してきました。この「中部空港見直しネット」のメンバーを中心に、2000年11月、「自然環境を守れ!税金のムダ遣い止めよ!」と、中部新空港関連事業に対する公金支出の差止めを求めて1278人の原告団を結成し、名古屋地裁に提訴しました。これらの運動は広がりつつあります。
南知多、幡豆町の土砂採取事業の中止
日本共産党の議会内外での奮闘と県民運動の高まりは、大きな成果を生み出しました。
それは、南知多町の土砂採取事業と幡豆町の土砂採取事業を断念させ、内陸部の開発事業を中止に追い込んだことです。自然豊かなふるさとを守り、無謀な乱開発による、県や自治体財政の負担をくいとめたといえるでしょう。
関西空港の場合でも,土砂採取の跡地に作られた阪南市の「阪南スカイタウン」は高級住宅地ですが、多くが売れ残っており、学校、幼稚園などの住宅に必要不可欠な施設の建設、維持管理費を阪南市が背負うことになって、財政を圧迫しています。