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【万博】2002.12.10-12.16の動き

●開幕まで800日余と迫った愛知万博を成功させるため、愛知県知事と名古屋市長、県議会と市議会の与党議員団代表らが17日、名古屋市内のホテルで一堂に会して盛り上げ策を協議する。同県と同市はそれぞれ万博にパビリオンを出展する「主役」の立場。とかくライバル視される県と政令指定都市だが、国際イベントの万博を相手にタッグを組むことにした。

●中部圏の産官学の有識者で組織する「中部の観光を考える100人委員会」(委員長 谷口清太郎・名古屋鉄道相談役)は9日、愛知万博会場と中部新空港を巡る観光モデルコースを作成する方針を決めた。来年5月ごろに開かれる総会までに策定する。同委員会はこれまで、工場や博物館を巡る産業観光コースと、県域を超えた広域観光コースづくりを進めてきたが、2005年の万博開催と空港の開港が近づいているため、「中部圏への観光客誘致に生かしたい」と、新たにコースを設定することにした。

●博覧会協会は10日から、愛知万博のゴンドラ事業の建設、管理運営などの事業者選定のための企画提案書の募集を始める。
博覧会協会は、青少年公園会場と海上会場を結ぶ2000メートルと、青少年公園会場内の1000メートルの2本のゴンドラを計画。プライバシー配慮から、住宅地に差し掛かるとガラスが自動的に曇る装置を取りつける。事業内容は測量設計や建設工事・撤去、管理運営で、応募できるのは、協会の定める基準を満たす単独企業または共同企業体。

●愛知県は10日、愛知万博のメーン会場となる愛知青少年公園の万博閉幕後の整備計画をまとめた。せんていした木の枝などをたい肥化するリサイクルセンター、環境学習施設の整備などが盛り込まれ、2006年度の早い時期に公園の再オープンを目指す。
新たに整備する「緑のリサイクルセンター」は、公園南に設置する。同公園から出る木の枝や刈り取った草、落ち葉などの植物性廃棄物は年間300立方メートルに上るという。4トントラックで約120台分あたり、これまでも3分の2はたい肥化し、残りは木片にして園内の林にまいていた。 センターの整備に伴い、園内から出る植物性廃棄物をすべてたい肥化し、園内で再利用する。センターは愛知万博の開幕までに整備し、万博でも活用する。
環境学習施設のフィールドセンターは、公園中央部の森の入り口に建設。山里の木造校舎をイメージした外観を予定しており、学習室、工作室などを設ける。同センターも万博開幕までに設置し、万博では森林体感ゾーンの活動拠点としても使用する。
愛知県では万博の開幕に向けて公園内の園路や広場、植栽などの基盤整備を行い、閉幕の6か月後を目標に、公園を再開する。

●愛知万博のボランティアの募集や研修、配置などを行う「愛・地球博ボランティアセンター」の設立会が10日、300人が出席して開かれた。
会長に就任したハンス・ユーゲン・マルクス南山大学学長(58)は、名古屋とその近郊の大学生や、「ボランティア活動には参加したいが、まだ未体験」という人たちを発掘し、「21世紀の新しいボランティア像を世界に発信できれば」としている。また、活動目標として、誰もが楽しく参加でき、個々のボランティアの考え方を尊重し、万博開催後も地域社会にその活動を継承する、などを掲げた。センターは、来年11月までに基本計画を策定し、2004年1月から2万人程度の募集を開始する。同4月から11月にかけて事前研修を行う予定。

●愛知万博のサテライト会場となる名古屋駅南の笹島地区を名古屋市とともに活用する「笹島地区サテライト事業」の共同事業者が10日、「音と光の響演」をテーマに、イベントや街づくりを提案した「グループ ファンタジア」(東急不動産など6社)に決まった。
ファンタジアの提案によると、笹島地区の中心部をアミューズメントパークとして観覧車などを設けるほか、「8」の字の高所回廊で会場全体を見渡せるようにする。夜間は、音楽も楽しめる全長約40メートルの電飾アーケードをつくる。万博閉幕後も利用する1ヘクタールの用地には、立ち席を中心にしたライブハウス「Zepp Nagoya(ゼップ ナゴヤ)」を設け、音楽情報の発信拠点にする。スポーツショップやマルチメディアコーナーなどを備えた複合商業施設も設置する。この日開かれた市の選定委員会で、ファンタジアなど民間5グループのアイデアを検討して決めた。総事業費は約43億円で、万博期間中の半年間に延べ300万人が訪れると予想している。

●県議会12月定例会は10日、企画環境、健康福祉、産業労働、農林水産の各常任委員会を開いた。
万博会場の一部になる瀬戸市の海上の森について、県側は「愛知万博の原点」と位置づけたうえで「愛知万博の後は6つのゾーンに分けて森の保全と活用を目指す」という考えを明らかにした。自然保護団体や学識経験者らと検討を進めており、近く具体案を中間発表する。愛知万博の鉄道アクセスとなる東部丘陵線の本線用地について、県側はほぼ買収の見通しが立ったことを説明した。県によると長久手町、名古屋市内の本線用地は取得が完了。残る豊田市内も「ほぼめどがついた」とし、駅のアプローチなど本線以外の用地も「本年度中に取得できるよう努力したい」とした。

●13日にまとまった与党3党の来年度の税制改正大綱には、愛知万博の出展や建設に関連する地方税減税も盛り込まれた。海外政府や博覧会協会が、会場で物品を販売した際にかかる法人住民税やパビリオン建設に必要な固定資産税など10種類が減税対象で、総額26億円規模になる。

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