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【03.03.01】県知事に党県委員会が暮らしと雇用、福祉守る申し入れ

 

3月1日「しんぶん赤旗」

 日本共産党愛知県委員会(岩中正巳委員長)、同党愛知県議団(きしの知子団長)は27日、神田真秋県知事に「暮らし雇用、福祉、教育を守る県政にむけて六つの緊急要求」の申し入れました。

 申し入れは林のぶとし、堀一の両県議と8人の県議選予定候補が行いました。

 申し入れは▽県単独の福祉制度を復活し、乳幼児医療無料化制度を就学前まで拡大▽景気を冷え込ませる消費税と増税と水道料金など公共料金の引き上げに反対▽県営住宅の増改築、学校の耐震改修促進など地元業者の仕事をつくり、繊維、陶磁器など地場産業支援▽県立高校の統廃合計画を撤回し、小・中・高校での30人学級の実現、私学助成の拡充▽若者の就職難解決のため、福祉・教育などの県職員の雇用を増やし「青年雇用促進室」を設置し就職活動の支援▽県有施設、学校の耐震改修、一般住宅の耐震改修の助成制度の創設、中小河川の改修をするなど防災対策の促進-を求めています。

申入れ書本文は次の通りです。

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2003年2月27日

愛知県知事  神田 真秋 様

日本共産党愛知県委員会 委員長 岩中 正巳
日本共産党愛知県議会議員団 団長 きしの 知子

暮らしと雇用、福祉、教育を守る県政にむけて6つの緊急要求を申し入れます ながびく不況のもとで、医療・年金・介護・雇用保険など社会保障の改悪につぐ改悪をすすめる小泉内閣の悪政によって、愛知県民の暮らしと営業は、かつてなく深刻な事態となっています。地方自治体に求められるのは、ぎりぎりの生活を強いられている県民の要求にこたえ、破たんした「開発会社」化をやめ、暮らしと福祉を予算の主役にする県政にきりかえることです。さらには、市町村への財政切り捨てと合併おしつけをやめることです。

 こうした見地から、いっせい地方選挙にあたって、日本共産党としての見解を明確にするものとして、愛知県にむけた「6つの緊急要求」を別紙のようにまとめました。

 いずれも、県民の切実な要求であり、実現されるよう要望いたします。

暮らしと雇用、福祉、教育を守る県政にむけて──6つの緊急要求2003年2月27日  日本共産党愛知県委員会・日本共産党愛知県議会議員団

1、福祉医療制度など後退させられた県独自の福祉制度を復活し、乳幼児医療無料制度を就学前まで拡大します。

健康保険本人3割負担など国の医療・福祉制度の改悪は、県民のいのちとくらしを脅かしています。こういうときこそ、自治体が県民の福祉を守る防波堤になるべきです。

 国に対し、健康保険本人負担増の凍結・中止、高齢者医療費の負担軽減を求めます。

 県内の乳幼児医療無料制度は、通院で45%、入院で71・5%の市町村が県の制度を超えて実施しています。ところが、国がペナルティーを課すために償還払い制度となっている市町村が少なくありません。窓口で無料化できるように、国にペナルティーの中止を求めます。

68歳から段階的に廃止されつつある県の老人医療費支給制度を復活し、乳幼児医療無料制度を就学前まで拡大します(50億円)。また、介護保険料の4月値上げをやめ、保険料・利用料の軽減・免除をおこない、特別養護老人ホームの待機者を解決するために、特別養護老人ホームの増設をすすめます。

2、景気を冷え込ませる消費税増税と公共料金の引き上げに反対します。

消費税増税は個人消費をいっそう冷え込ませ、不況に拍車をかけ、公共料金の値上げは県民生活を直撃します。とくに、水道料金は全県民、全産業にかかわる問題です。現行の「責任受水制度」を、使用した水道量にもとづく料金体系に改めて、県水受水市町村の負担軽減をはかるとともに、ダム建設など過度な水需要による設備投資をやめて、水道料金の値上げをさせません。

3、大企業による下請けいじめをやめさせるとともに、県営住宅の増改築、小学校、中学校、高校の耐震改修の促進などで地元の中小業者の仕事をつくり、繊維・陶磁器など地場産業の支援をして、地域経済の活性化をすすめます。

不況が深刻な中、自治体が仕事と雇用をつくりだすことが求められています。

青年や低所得者層にとって、利便がよく低家賃の県営住宅は切実です。県営住宅の増改築をおこないます。また、小学校、中学校、高校の耐震改修を市町村への助成をおこなうなどして一気に促進します。これらの事業を、地元の中小企業で優先的に発注します。さらに、中小建設業者の仕事おこしのために、民間木造住宅耐震改修費補助制度を拡充し、バリアフリーを促進する住宅改修など「住宅改修助成制度」を創設します。大口町などで検討されている小規模事業者登録制度を、県下すべての自治体へ普及します。

また、繊維や陶磁器など地場産業を活性化させるために、特殊技能の開発や販路の開拓など、自治体が関係業者と一体となり、活性化のための支援策をすすめます。代金未払い、一部カットなど大企業の横暴な下請けいじめをやめさせるため、県として下請保護の相談窓口をもうけ、国、企業に働きかけます。

4、県立高校統廃合計画を撤回し、小・中・高校で県独自の30人以下学級の実現、私学助成の拡充をめざします。

 学力低下と不登校の増大など、子どもと教育をめぐる状況は深刻化しています。さらには「いじめ」、少年犯罪や児童虐待など、胸の痛む問題もあとをたちません。

 ゆきとどいた教育を実践するために、全国の半数近く22都道府県が少人数学級を導入しています。県下でも、犬山市や一宮市、木曽川町などの自治体が少人数学級の導入を検討しています。

 県独自の30人学級を実施します。臨時教員の正規化を拡充し、県単費の正規職員を大幅に増員します(392億円)。また、進学を希望するすべての中学卒業生が地域の高校に入学できる条件を整備するためにも、県立高校の統廃合計画を撤回させます。私学助成も削減された部分の復元をすすめ、拡充をおこないます。

5、深刻な若者の就職難を解決するために、福祉・教育などの県職員の雇用を増やすとともに、県独自の「青年雇用促進室」を設置し、就職活動を支援します。

 青年の就職難は深刻です。愛知県内の高卒の就職内定率は52・3%と昨年9月末では過去最悪となっています。大卒者も就職が困難で、当面の生活をフリーターで維持している青年も少なくありません。青年に働く場所がつくられなければ、愛知の生産活動を安定的に維持することはできません。外国では、国や自治体が青年の雇用確保に真剣にとりくんでいます。

 青年に愛知の未来を託していくためにも、真剣に若者の雇用対策にとりくみます。緊急地域雇用創出特別交付金事業を積極的に活用し、県独自の上乗せもして、教員や保育士、介護支援員、森林保全員など県民のくらし・福祉・環境を守る分野で雇用を増やします。さらに青年雇用促進室を設置し(1億円)、未就職者に対し、就職活動のための学校や訓練の経費助成や生活支援など就職活動を支援します。

 また、失業や経営破たんで、くらしがなりたたなくなっている県民を救済する公的就労制度をつくります。

6、県有施設、小・中・高校の耐震改修、一般住宅の耐震改修の助成制度をつくり、中小河川の改修を促進するなど防災対策をすすめます。

東海地震など大地震による災害のおそれのある地域でありながら、愛知県内の小中学校の耐震化率(43・7%)は全国平均以下と遅れています。愛知県は、昨年11月に「あいち地震対策アクションプラン」をまとめましたが、県立学校606施設のうち170棟(28%)を改修するにすぎません。また、旧耐震基準の木造住宅は県内に約76万棟ありますが、「プラン」では5年間で12万棟(16%)の改修を目標としているだけです。阪神・淡路大震災の死者の83・7%は「圧死・窒息死」でした。建物の耐震改修は一刻を争います。

小学校、中学校の耐震改修への支援と促進、県有施設、県立高校の耐震改修を一気におこないます。

一般住宅についても、低所得者に厚い改修助成制度をつくります。

また、東海豪雨災害は、県民に重大な被害をもたらしました。激甚災害事業だけでは、河川の危険箇所をなくすことはできません。県独自に中小河川の改修を促進します。

名古屋市営地下鉄の排煙装置整備など、火災対策を援助します。

 この6つの要求を実現するために、税金の使い方を、県民のくらし・福祉・教育・環境優先に改め、愛知万博は開催返上、中部国際空港建設中止、徳山ダム、設楽ダム建設から撤退します。また、大型開発優先、県民犠牲おしつけの「改訂愛知県第三次行革大綱」を撤回し、小規模自治体をつぶす上からの合併の押しつけに反対します。

6つの県民要求を実現するためには、年間1000億円あれば十分可能です。税金の使い方を変えることが必要です。

 4年間で、6つの要求を段階的に実現していくためには、(1)区画整理事業を見直し、危険箇所の改修など緊急に必要な事業を除き、道路事業の年次計画を先送りして、投資的経費を現在より30%近く抑えるなど、歳出を抑えるとともに、(2)大企業への超過課税を引き上げ、必要な歳入を確保します。

万博・空港を中止しただけで、1133億円の県の支出が節約できます。

 さらに、県民に犠牲を押し付けて大型開発の財源をつくる「行革」を撤回し、知事をはじめとした県幹部と県議会議員給与の削減、県債の繰り上げ償還など、県民参加の検討機関を設置したもとで県財政再建プランをねりあげます。

また、上からの押しつけ市町村合併や道州制の導入に反対し、地方自治・住民自治を充実・発展させます。活力ある自治体を守り、発展させるための支援をすすめます。自然を破壊し、水道料金の値上げなど県民に負担をおしつける設楽ダム、徳山ダムの建設に反対します。

以上

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