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【03.06.16】大手企業男性二割が週60時間労働
首相も「いき過ぎだ」八田議員が追及

愛知民法6・7月号外  

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八田ひろ子参議院議員 日本共産党の八田ひろ子参議院議員は6月16日、決算委員会で、小泉内閣の2年間は倒産、失業など痛みを押し付けただけとし、「長時間労働をなくして雇用増を」と迫り、首相も対策の必要性を認めました。

◎八田ひろ子参議院議員
失業率が過去最悪となり失業者が385万人と増え続けている。やむをえないと考えるのか。

●小泉純一郎首相
5年間で530万人の雇用を増やす計画にとりくんでいる。

◎八田ひろ子参議院議員
「530万人雇用創出プラン」は、一年間で100万人増やすことになっているが、小泉内閣の2年間で92万人と半分にも達していない。また、500人以上の大手企業で週60時間(年間3000時間)以上働いている男性雇用者の割合は、94年の14.1%から21.2%と増えている。過労死するような長時間労働をなくし雇用を拡大すべきだ。

●小泉純一郎首相
週60時間は確かにいき過ぎだ。総実労働時間1800時間に向け、いろいろなとりくみが必要だ。

職場風土の改革、労働時間管理の適正化、チェック体制を
サービス残業解消へ国が「指針」

 サービス残業(ただ働き)解消に向け、厚生労働省は5月23日、総合対策要綱と指針を発表し、各都道府県労働局長あてに送付、通達しました。
 一昨年4月の厚生労働省のサービス残業是正「通達」以降、サービス残業にメスがはいる一方で、依然としてただ働きがあとを絶たず、サービス残業がおこなわれない企業にしていくために、企業と労働組合にたいし、職場風土の改革やチェック体制の強化など労働時間管理のシステム整備などをもとめるなど、踏み込んだ内容を盛り込んでいます。
これは、八田ひろ子参議院議員をはじめ日本共産党国会議員団が、職場や家族の訴えと結んだ度重なる国会での追及によって国を動かした画期的な成果の一つです。おおいに活用し改善させましょう。

 「指針」では「労使の主体的な取組を通じて、初めて賃金不払残業の解消が図られるものと考える」という考え方を基本に、労働時間管理を行うシステムの整備を行うために、「講ずべき事項」を示しています。具体的には「労使が取り組むべき事項」として、1.労働時間適正把握基準の遵守 2.経営トップによる決意表明、社内巡視など職場風土の改革 3.適正な労働時間管理のシステム確立、制度の見直しなど職場のシステムの確立 4.複数の者を管理責任者にしてダブルチェック、企業トップが情報を把握できる投書箱や専用電子メールアドレスを設けるなどチェック体制の整備などが明記されています。

長時間・過密労働の本格的是正へ、「労災認定新基準」や「過重労働防止通達」

 刈谷労基署は、ことし1月22日に、約160社の労務担当者を集め開いた緊急集会で、「労災認定基準で業務と発症との関連性が強いとされる月80時間を超える時間外労働がみられる」「三六協定なしの残業も犯罪、三六協定の時間以上働かせた場合も犯罪、ましてや残業代を支払わないのも犯罪」と警告したといいます。
 「労災認定新基準」では1ヶ月45時間を超える時間外労働は健康上有害であると明示され、「過重労働防止通達」では、三六協定の限度基準(1ヶ月で45時間)を超える場合、事業主に以下にするよう指導でき、たとえ協定で認められても削減指導や健康診断にもとづく指導ができることになっています。
 これらの「通達」の内容は画期的なものですが、事業主は無視することができないものです。
この内容を職場と地域、企業や労働組合の中でおおいに広げ、労働協約にもして、長時間・過密労働を是正するための働く「ルール」を確立し、社会全体の雇用を増やしましょう。

一期目から国政うごかす八田ひろ子
「助けてください。夫は毎日、15時間労働し、体を悪くして、死にたいとまで言っています」
−国会で、寄せられた手紙を読み上げ是正を要求

八田ひろ子参議院議員は一昨年12月11日の参院決算委員会で、トヨタでは労使の特別協定で年間時間外労働時間の上限が年720時間になっていることや、豊田工機のサービス残業問題を追及し坂口厚生労働大臣に指導を約束させました。この質問をはじめ、当選以来国会で一貫して長時間労働・サービス残業を追及、みなさんと結んで国政を動かし、数々の画期的な成果をかちとってきました。

サービス残業問題で画期的成果ー是正企業数・金額など初公表させる
県内147社約6千人分約5億2千万円支払い

 厚生労働省は、2002年12月13日、一昨年4月から昨年9月までの1年半で、サービス残業の是正指導の結果として、全国で613社、支払いを受けた労働者7万人余、総額約81億3千万円と公表し、そのうち愛知県内では147社であり、6124人に、総額約5億2千万円を支払ったとしました。全国集計を行ったのは初めてであり画期的な前進です。
 またアイシンでは、昨年4月から、9月分のサービス残業代として、精算金が昨年12月10日に支払われ、約2000人分、1人最高400時間分で総時間数は68034時間分、約1億7千万円が支払われました。未払い金額が支払われたのは初めてで画期的なことでした。デンソーでも約2億円が支払われ、三菱名古屋航空機や日立、東芝などでも支払われるなど、いま全国でも愛知でも、サービス残業の是正運動は、大きく前進し始めています。

家族の監督署への「申告」も本人に準じた扱いにトヨタなどの長時間労働・サービス残業にメス

家族の申告について質問主意書
 八田さんは昨年2月に、井上美代参院議員と連名で質問主意書を政府に提出し、労働基準監督署への家族からの情報提供も、労働者本人に準じて扱うように要求。政府の答弁書で初めて、家族が事実上の「申告」ができると回答しました。
 この政府「回答」は、家族の側からもサービス残業の実態などの「申告」に活用できるものです。実際、その後全国的に、数々の家族からの訴えが寄せられサービス残業改善の大きな力となっています。

異常な長時間・過密労働を是正
  八田さんの5年間の活動で、特筆すべきはトヨタなどの大企業の異常なサービス残業と長時間労働を、繰り返し追及し、実際に改善させてきていることです。八田さん抜きにこの間、の大きな前進はありえません。
 例えば八田さんは、トヨタ系の職場やNTTなどの三六協定の特別協定が年間1000時間を超えるような実態になっていることを、国会で初めて告発し上限規制を要求しました。
これにたいし政府は「年間360時間以内を原則とする」と答え、通達での規制を強めました。また八田さんの質問以後、トヨタ系各社では特別協定の上限を短縮する見直しが不十分ながらすすみました。

豊田や刈谷で労基署主催の集会
 昨年、豊田労基署が行ったトヨタ関連54事業所の労働実態調査で、年間労働時間が平均で2343時間、もっとも多い労働者は3650時間にもなるという驚くべき実態が明らかになりました。
 この異常な事態を改善するため、昨年末に労基署は企業を集め大会を開催。ところがことし2月、トヨタ元町工場のサービス残業が摘発されました。また、ことし2月22日に刈谷で開かれた労基署主催の緊急集会では、管内の是正したサービス残業代が9社で約5億6千万円と公表されました。
 依然として異常なサービス残業が横行する愛知の実態を改善するために力をあわせましょう。

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