日本共産党愛知県委員会常任委員会 同 名古屋市委員会
市民のみなさん
来年4月に市議選が行われます。この選挙は、名古屋の将来を左右する選挙であるとともに、集団的自衛権行使容認、消費税増税、原発再稼働、沖縄新基地建設など安倍政権の暴走に審判をくだす大切な選挙です。
日本共産党は、国の悪政から市民を守る、くらし・福祉最優先の市政改革を実現するため、過去最高の10議席以上の獲得をめざします。12議席になれば、市議会の各常任委員会に複数の議員を送り出し、論戦に生かすことができます。さらに、市政に大きな影響を与える県議会でも、議席獲得をめざして全力を尽くします。
1、日本共産党を伸ばして安倍政権の暴走ストップ、市民のみなさんの暮らしと営業、雇用を守る市政を
安倍政権の消費税増税・社会保障解体路線は、庶民の暮らしを直撃しています。日本共産党名古屋市議団が3月からとりくんだ、市政アンケート調査(回答者約4900人。10月14日現在)では、76%もの人が「生活が苦しくなった」と回答しています。「年金は減る一方なのに、負担ばかり増えて困る」「これ以上消費税が上がったら生活出来ない」などの悲鳴が寄せられるとともに、安倍政権がねらう消費税率10%への再増税について、約8割の人が「反対」「5%に戻すべき」と答えています。国保料や介護保険料・利用料の軽減、医療体制の充実を求める声もたくさん寄せられています。
それでは、こうした市民の切実な声に、河村市政はこたえているのでしょうか。
河村市政はこの間、「行革」の名のもとに福祉・市民サービスを切り捨て、消費税増税分を公共料金に上乗せするなど、市民の願いに背き続けてきました。それを、自民・公明・民主・減税などの事実上の「オール与党」が支えています。その一方で、中部財界いいなりに、リニア中央新幹線計画を「起爆剤」にした名古屋駅周辺再開発など、不要不急の大型開発をおしすすめています。過大な需要予測、財政負担、環境への影響、在来線へのしわ寄せ、エネルギー浪費など様々な問題を抱えるリニア計画は中止すべきであり、これを前提とした再開発構想もきっぱり断念すべきです。
河村市長も、それを支える減税や自民、公明、民主も、安倍政権の暴走から市民を守ることはできません。
国の政治でも、地方政治でも、安倍政権の暴走と真正面から対決し、国民の立場に立った対案を示し、その実現へ国民のみなさんと共同を広げる日本共産党の議席を伸ばすことが、市民のみなさんの暮らしと営業、雇用を守る確かな力になります。
2、「228万市民が輝く、なごや改革ビジョン」を提案します
日本共産党が行った市政アンケートでも、市の施策に求めることの第一は「ムダな公共事業の削減」です。SL走行や1000mタワーなど、派手なイベントや巨大なハコモノで一過性の人寄せをする市長のやり方に、市民の大きな批判が広がっています。
いま求められているのは、「名古屋に住んでいてよかった」、「名古屋は住みやすい」と思えるような、いのちと暮らし、雇用を守る施策を充実させることです。その財源は、リニア頼みの駅前再開発など大型開発の見直し、巨大な儲けをあげている一部の大企業と高額所得者優遇の「減税」をやめることでつくりだすことができます。また、開発型公共事業の押し付けなどで地方財政を悪化させた国にたいし、しっかり責任を果たすよう求めていきます。
日本共産党は市民のくらし・福祉最優先の新しい市政への転換をめざす、「228万市民が輝く、なごや改革ビジョン」を提案します。
(1) 「福祉日本一」「子育てするなら名古屋」を実現する改革プラン
河村市長は、大企業や富裕層に手厚い市民税「減税」の一方で、「減税」による税収減を口実に、介護保険料の大幅引き上げや市営住宅の駐車場使用料を値上げしました。子育て世代の願いに背を向け、市立保育園を廃止・民営化し、認可保育園の運営についても、営利企業に門戸を開きました。
また、水道・下水道料金、バス・地下鉄料金への消費税増税の転嫁、公立高校授業料無料制度への所得制限の導入による負担増、70歳からの医療費窓口負担の1割から2割への引き上げと、安倍政権の悪政をそのまま市民に押し付けました。市民運動と日本共産党議員団の共同が守り抜いた敬老パス制度についても、河村市長は予算に上限を設け一部負担金の値上げなどをねらっています。
自民、公明、民主、減税各党は、河村市長の福祉・市民サービス削減に手を貸すとともに、消費税増税分を公共料金に転嫁する予算に賛成し、新たに30億円もの負担を市民に強いるなど、「オール与党」ぶりをあらわにしています。
日本共産党は、以下の3つの柱で「福祉日本一」と言われた名古屋を取り戻すために力をつくします。
第1の柱 ―安心の医療・介護のまち名古屋を
- 高すぎる国保料を1人1万円引き下げ、国に対しても国庫負担を増やすよう求めます。本人の申請が必要な市の特別軽減制度(国保法定減額世帯対象、1人年2千円)を自動的に受給できるよう改めます。
- 介護保険料を一般会計からの繰り入れで引き下げ、減免制度を創設します。特養ホーム待機者ゼロをめざして施設整備をすすめます。6月に成立した医療・介護総合法によって、要支援者の訪問・通所介護を介護保険から外すなど、医療介護サービスが質・量ともに低下することが指摘されています。名古屋市として少なくとも現行の医療・介護サービスの水準を維持するための施策を行うとともに、法の撤回を国に求めます。
- 愛知県に福祉医療制度の堅持を強く働きかけるとともに、市独自の高齢者医療費助成制度を創設します。産科・小児科の医師や看護師など医療スタッフの確保・養成対策を強化し、名古屋医療圏の医療供給体制を整備・充実します。
- 75歳以上の医療費窓口負担を無料にします。
- 18歳以下の医療費窓口負担を無料にします。
第2の柱 ―子育て応援、子どもたちが輝く名古屋を
- 市立保育園の廃止・民間移管計画を撤回し、公立を含めた認可保育所の抜本増設で待機児童解消をめざします。保育料を値下げします。子育て支援センターを中学校区に1ヵ所配置し、乳幼児を持つ保護者が気軽に子育て相談を行うことのできるようにします。一時保育、病児保育など多様な保育施策を拡充します。営利と相容れない保育事業への企業参入の拡大は許しません。
- 小中学校の給食費を無料にします。正規教員の大幅増員で30人以下学級を小中学校全学年に段階的に拡大し、子どもたち一人ひとりに行き届いた教育を実現します。
- 学童保育所の運営費助成を増額するとともに、大規模化の解消、施設・設備の改善、指導員の正規化・労働条件の改善、複数配置、利用料の軽減などをすすめます。放課後の学校開放事業としてのトワイライトスクールと、子育て支援の施策である学童保育の役割分担を明確にして、それぞれにふさわしい役割が発揮できるよう財政的な支援を強めます。
- 市独自の給付制奨学金制度を導入します。
第3の柱─安心して住み続けられる名古屋を
- 国に対し、消費税増税・社会保障制度解体をやめるようはたらきかけます。
- 敬老パスの現行制度を維持し、対象路線の拡大をすすめます。地域住民の声を活かして市バス路線をきめ細かく充実させます。市営地下鉄のホームドアの設置計画を前倒しするとともに、民間鉄道にも早期導入を求めます。
- 「住宅は福祉」の立場で、市営住宅の増設、UR住宅や民間賃貸住宅を市として借り上げて市営住宅並みの家賃で提供するなど、公的な住宅政策を充実させます。新婚家庭や高齢者向けの家賃補助制度を創設します。
(2)地域に根ざした産業や中小企業を応援し、「働きやすさナンバーワン都市なごや」をめざします
河村市政は、中部財界の要請にもとづいて、リニア新幹線を「起爆剤」にした名古屋駅周辺大改造に多額の税金をつぎ込もうとしています。さらに、名古屋城天守閣の木造復元(事業費計400億円)や笹島地域の巨大地下通路建設(事業費134億円)、金城ふ頭の巨大な市営立体駐車場建設(191億円)、木曽川導水路建設、中部国際空港の二本目滑走路の建設、あおなみ線へのSLの運行など、ゼネコン・大企業優先の公共事業が目白押しです。
「大企業さえ呼び込めば、そのおこぼれで地域が栄える」というやり方は時代遅れです。地域経済を支える中小企業と働く人を応援し、正規雇用を増やして、家計消費を増やし、内需主導型の地域振興策に転換します。
中小企業を応援する施策
- 中小企業振興基本条例を具体するための「振興条例推進室」(仮称)を設置し、すべての小規模事業所を対象にした職員の訪問調査を行ないます。
- 中小企業向け官公需発注比率(2013年度60・8%)を引き上げます。住宅や商店のリフォーム助成制度を創設し、太陽光発電設置や障害者、介護保険、耐震などの改修・補修工事に対する補助制度とセットで実施します。
- 小規模企業等振興資金の利用者に対する保証料補助制度を創設します。小規模事業金融公社への支援を強め、融資対象を拡大します。
- 技術力をもった中小企業の連携を促し、販路拡大を支援します。
- 市内中小企業等へ就職した若者への奨学金返還支援制度を創設します。
- 国に対し、大企業応援型から、家計所得を増やし、中小企業を応援する内需主導型の産業政策への転換を求めます。
働く人を応援する施策
- 公契約条例を制定し公共事業・委託事業で働く人の時給を1000円以上に引き上げます。
- 市職員定数の削減をやめ、看護師、保育士、消防士、ケースワーカーなどの正規採用を増やします。
- ブラック企業やブラックバイトの解消にとりくみます。
(3)南海トラフ大地震、放射能汚染から市民を守る、安全・安心のまちづくり防災対策改革プラン
「大地震が来たらどうしよう」「放射能汚染から子どもたちを守りたい」。大規模自然災害や、原発事故による放射能汚染への不安が広がっています。市民の安全を守るために、以下の施策を行ないます。
- 南海トラフ大地震などに備え、海岸・河川の堤防・防波堤、護岸・水門など水際の防災施設の総点検を行い、構造物の耐震化や地盤の液状化対策など必要な補強改修を急ぎます。福祉避難所の設置を拡大するとともに、避難所のバリアフリー化をすすめます。上下水道管などライフラインの耐震化・老朽化対策をすすめます。ゼロメートル地帯に高台・丘をつくります。
- 「脱原発」宣言を行ない、原発ゼロを国に求めます。自然エネルギーの普及を促進し、大気や食品などの放射線を測定できるように、放射線測定機器を各保健所に備えます。
- 大気汚染の常時監視測定局を増設するとともに、 すべての測定局で微小粒子状物質 (pm2・5等) の測定ができるようにします。里山など多様な自然生態系を保全・再生し、緑被率30%目標(2010年現在23・3%)を早期に達成します。
- 「脱ダム」宣言を行ない、徳山ダム導水路事業から撤退します。
(4)「ライフエリア(生活圏)」整備で、暮らしやすいまちをつくる改革プラン
「近所のスーパーがなくなり、買い物に困っている」。大都市名古屋でも、買い物難民が急増しています。お年寄りが歩ける範囲(少なくとも小学校区単位)で、福祉・介護、生活必需品の購入など必要なサービスを受けることができる、「ライフエリア」づくりをすすめます。
- 買い物環境に関する調査を行ない、買い物弱者対策をすすめます。中小小売業者やNPO法人などが行なう買い物支援事業にも補助を拡大します。地域住民の声を活かして市バス路線をきめ細かく充実させます。
- 地域の問題解決のための予算を決定する権限を地域に委ねるなど、地域コミュニティづくりを積極的に応援します。住民合意のない学校統廃合は行ないません。
- 常設型の住民投票条例を制定するなど、直接民主主義の仕組みを整えます。各種審議会などには原則として公募市民枠を設け、女性比率を抜本的に引き上げます。
- 女性や子ども、高齢者、障害者、性的マイノリティーなどすべての人の人権を守ります。
- 地方自治を破壊する道州制に反対します。道州制導入と一体に、近隣市町村と名古屋市を合体させ、大型開発を名古屋に集中させるしくみをつくる、「尾張名古屋共和国構想」はきっぱり断念します。
(5)アジアと世界の平和を担う「国際友好都市なごや」への改革プラン
河村市長は、戦力不保持・交戦権否認の憲法9条2項を改定し、自衛隊保持の明記や軍法会議の設置、首相の靖国神社参拝を主張しています。日本軍「慰安婦」の強制性や南京大虐殺の事実を否定し、中国・南京市との友好都市提携をはじめアジア諸国との友好関係を悪化させています。市議会の改憲右派議員もこうした河村市長の言動を支えています。
市政アンケートには、世代の違いを超えて「憲法9条を守り抜いてほしい」という声が多数寄せられています。安倍政権による集団的自衛権の行使容認など9条改悪の動きが強まるなか、商業港の名古屋港への軍艦の相次ぐ入港や、武装した陸上自衛隊員による街中の行軍訓練が行われ、市民から不安の声が広がっています。
- 侵略戦争と植民地支配への真摯な反省を前提に、北東アジアをはじめ世界各国との友好都市交流をすすめます。
- 平和首長会議加盟都市にふさわしい非核平和行政を推進し、「非核名古屋都市宣言」を行ないます。
- 名古屋港の軍事利用に反対し、非核証明がない艦船の名古屋港入港は認めません。名古屋空港の基地機能強化および米軍利用に反対し、市街地での行軍訓練中止を自衛隊に求めます。
- 集団的自衛権行使容認をはじめ、平和憲法を破壊するいかなる企てにも反対の意思を明確に示します。北東アジアに平和的環境をつくる外交努力を追求するよう、国にはたらきかけます。秘密保護法の廃止を国に求めます。
(6)不正をただし、市民に開かれた議会をめざす改革プラン
「市議会は市民のためにしっかり仕事をしてほしい」。市民の期待に応える議会にするため以下の改革にとりくみます。
- 議会報告会の定期開催や、議会に提出される資料の公開など情報公開をすすめます。
- 議員の質問時間の不平等をなくします。
- 政務活動費の不正根絶。任期中一回の慣例的な議員の海外視察は廃止します。議員の政治倫理条例をつくり、二度と不正疑惑が起こらないよう議会みずからエリをただします。
3、河村市政を支える自民党主導の「オール与党」
名古屋市議会の政党地図はこの間激変しています。河村市長率いる減税日本は3年前の選挙で28議席を獲得し第一党になりました。しかし減税議員の政務調査費(現・政務活動費)の不正受給が相次いで発覚し市民の信頼を失い、分裂を繰り返して15議席に激減しました。
市議会第一党となった自民党は、安倍政権直結・財界いいなり市政づくりをねらっています。公明党は国政と同様、自民党政治の翼賛・補完勢力そのものです。かつて第1党だった民主党は第4党に転落し、昨年の市長選挙では元自民党市議の市長候補を支援し、自民党政治の補完勢力と化しています。
これら、自民、公明、民主、減税各党は、河村市政と一体に福祉・市民サービスを切り捨て、不要不急の公共事業を推進するとともに、消費税増税の中止を国に求める意見書採択や、認可保育所の増設や介護保険料・利用料の減免制度の創設など、市民団体が提出した請願にことごとく反対し、否決させるなど、市民との矛盾を深めています。
今の市議会は、安倍政権直結・中部財界いいなりの河村市政を支える、自民党主導「オール与党」と、日本共産党との文字どおり「自共対決」の様相です。
4、日本共産党が伸びれば市政が変わる
日本共産党は、悪政と正面から対決し、建設的な提案を行い、広範な人たちと共同する「対決・対案・共同」の政治姿勢をつらぬく党です。日本共産党市議団は、「市政の監視役」「悪政から市民を守る防波堤」「市民要求実現の推進力」という、かけがいのない役割を果たしています。
- 日本共産党市議団は、安倍政権と一体に河村市長がすすめる福祉・市民サービスの切り捨てやムダな公共事業に反対するとともに、消費税増税分を市民に押しつける公共料金の値上げにもきっぱり反対しました。また、市民運動と連携して、河村市政がねらった保育料の値上げを6年間おさえ、第3子保育料無料制度も継続させ、敬老パスの改悪をくい止めるなど、悪政から市民を守る防波堤の役割を果たしています。
- 日本共産党市議団は、定例会前の市政懇談会やシンポジウム、学習会、市政アンケート(2年に1回)などを通じて、市民の声を市政に届け市民要求実現に奮闘しています。
これまで、中学校卒業までの医療費無料化実現、小・中学校の教室へのエアコン設置、中小企業振興基本条例の制定、公共施設での太陽光発電、地震防災対策の強化、平和首長会議への加入など、多くの市民要求を実現してきました。
また、市民の要請で党市議団が紹介議員になった請願の件数は今期(2011年3月~2014年2月)で100件と、自民党(37件)など他会派を大きく上まわっています。ブラック企業対策や過労死防止基本法の制定を国に求める意見書が全会一致で採択されるなど、党市議団提案の意見書が採択されるケースも、期を追うごとに増えています。 - 「政治家は庶民の苦しさをわかっていない」「市民のためにしっかり働いてほしい」。自民党市議の口利きによる嘱託職員の不正採用や、減税議員の不祥事が相次ぐなか、アンケートでも議会や議員のあり方を厳しく問う意見がたくさん寄せられました。日本共産党は、企業・団体献金ゼロ、費用弁償受け取り拒否、政務調査費(現・政務活動費)全面公開を自ら実行し、議会の民主的改革の推進力として全力をあげています。この間、費用弁償の廃止、政務調査費(現・政務活動費)の領収書1円からの公開、先進的な議会基本条例の制定など着実に改革をすすめ、3年前の市議選で公約した議員報酬の半減も実現させました。
市民のみなさん
来年4月の市議選は、市民の大切な税金を不要不急の大型開発につかうのか、市民福祉の充実につかうのか、名古屋の将来がかかった選挙です。名古屋の明るい未来は、日本共産党の躍進にかかっています。日本共産党を前進させることは、市民のみなさんの声を市政に届け、市民の声で動く市政に改革するうえで、最も確かな保障となります。
日本共産党が提案する「なごや改革ビジョン」は、シンポジウムやつどい、懇談会などを通じて、みなさんといっしょにより充実した内容にねりあげていきます。
ごいっしょに、力を合わせて市民本位の名古屋に改革しましょう。