愛知民報

【17.10.01】障がい者の雇用守れ 大量首きり問題 名古屋市に指導求める

 一般企業への就労が困難な障がい者に就労の機会を提供する「就労支援A型事業所」で経営難を理由に障がい者を含む労働者を大量に解雇する事例が発生しています。
 就労支援A型とは障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)に定められた事業の1つ。障がい者と雇用契約を結び、最低賃金を保障するものです。運営主体は社会福祉法人のほかに株式会社など営利企業の参入が認められています。事業を廃止する時は管轄する自治体に廃止届を提出する必要があります。
 埼玉、千葉、愛知、大阪の4府県で軽作業やパソコン入力などを請け負うA型事業所を展開する㈱障がい者支援機構(本社・名古屋市北区)は経営難を理由に8月末で名古屋、清須両市にある事業所を閉鎖。労働者69人が解雇されました。
 障がい者事業所の共同組織きょうされん愛知支部と全国福祉保育労働組合東海地方本部は9月21日、名古屋市役所を訪れ、6月から8月までの賃金の支払いと同社の労働者全員の生活支援、事業者都合の解雇が起きないようA型事業所への指導を求めて河村たかし名古屋市長あての申し入れ書を提出しました。
 申し入れには解雇された3人の障がい者が同行。「障害年金だけでは食べていけない。あと1年で貯金が底を突く」と訴えました。
 きょうされん愛知支部の大野健志事務局長は「障がい者が安価な労働力として見積もられている。当たり前に働くという権利の侵害」と話しています。