会ってみたい女性がいます。
「海は青いとおもってた、かもめは白いとおもってた。だのに、今見る、この海も、かもめの羽も、ねずみ色。みな知ってるとおもってた、だけどもそれはうそでした」と、ものをよく見ずに、見ているつもり、知っているつもりになっていることを戒め、さらに、「昼のお星は眼にみえぬ。見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。」と、見えぬものの存在にも思いをやり、そして、「鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがってみんないい」と、どの存在にも価値を見い出し、尊重しようとした、大正末期の童謡詩人・金子みすゞです。
彼女の詩に出会ったのは20年ほど前。当時自分が経営していた学習塾で子どもたちにも紹介しました。
みすゞは治安維持法がつくられて自由な創作発表の場を失い、創作への夫の無理解のなか、1930年26歳で命を絶ちました。彼女の詩は新鮮です。ウソとごまかし、「個人の尊厳」をないがしろにする今の日本の政治に立ち向かう力をあたえてくれると思うのです。
【がっとう(月東)さんの略歴】名古屋大学理学部卒。59歳。党名古屋熱田・中村・中川地区委員長