国会で審議すればするほど、人権を侵害する危険な中身が明らかになり、国民の不安と怒りが広がっている「共謀罪」法案。同法案の廃案を求める幅広い県民の運動が起こっています。
「共謀罪」法案の廃案を求める集会とパレードが5月27日、名古屋市中区でおこなわれました。主催は愛知県弁護士会。弁護士110人を含む約1300人が参加しました。
県弁護士会は4月6日、「共謀罪」規定を含む組織犯罪処罰法改正案の廃案を求める池田桂子会長の声明を発表しています。
集会で池田会長は、「対象犯罪には楽譜のコピーといった著作権侵害など、組織犯罪やテロと無関係なものが含まれています。警察の通信傍受や盗聴が広がり、思想信条の自由が脅かされ、市民生活に影響をおよぼす恐れがあります」と訴えました。
本秀紀名古屋大学教授は、「政権にたてつく者を全部あぶりだして、市民を萎縮させることが目的。プライバシーが丸裸になり、モノを言うことができなくなります。人間の基本的権利、民主主義が失われます」と訴えました。
日本基督教団名古屋中央教会の草地大作牧師は、1942年から43年、牧師が治安維持法違反で逮捕された歴史を紹介。「命を大切にする宗教家は声を大にして共謀罪法案に反対しなければなりません」と強調しました。
民進党の近藤昭一衆院議員、大塚耕平参院議員、日本共産党の島津幸広衆院議員が、法案を廃案に追い込む決意を表明しました。
集会参加者は「共謀罪はいやだ」と書いたプラカードを掲げ、「内心の自由をおびやかす共謀罪反対」「市民を監視する法律はいらない」「テロ対策とは関係ない」などとコールしながら繁華街を行進しました。