日本共産党愛知県委員会は8日、「働き方改革」懇談会を開きました。懇談会は5月に同党国会議員団が発表した「労働基準法等改正大綱」を各界に説明し、幅広く意見を聞くためにおこなわれました。同党県委員会は懇談会開催に先立って、50を超える県内の労働団体、経営者団体に参加を呼びかけました。
安倍自公政権は6月に、「残業代ゼロの高度プロフェッショナル制度」「残業時間の上限を月100時間」などを盛り込んだ「働き方改革」一括法を強行しました。特に使用者に労働時間の把握義務がなくなる高度プロフェッショナル制度については、全労連、連合、過労死家族の会のいずれも参考人質疑や地方公聴会でこぞって反対。野党も反対で一致してたたかいました。
月100時間残業時間の上限規制は、月80時間の「過労死ライン」を超えるもの。2011年度から16年度の累計では、過労死認定された人の約半分が過労死ライン以下の残業時間でした。日本共産党は「月45時間、年360時間、連続11時間の休息時間の確保」を主張しています。
懇談会では、本村伸子衆院議員が「大綱」を説明。意見交換をおこないました。
過労死事件の相談・裁判を支援している「愛知働くもののいのちと健康を守るセンター」の高垣英明事務局次長は、「在職中に亡くなった人は約11万人。うち心疾患1万5000人、脳血管疾患9300人、あわせると2万5000人近い。しかし、労働災害を申請している人は240人に過ぎない。制度の周知徹底、啓発活動を強める必要がある」と発言しました。
愛知地域労働組合きずなの後藤陽司書記長は、「朝9時から翌日深夜2時までの勤務シフトが組まれた労働者が2月に退職を申し出たら8月まで退職できなかった」と〝ブラック企業〟に勤める労働者からの相談事例を紹介しました。
公務の職場からは、「非正規労働者が4割。正規の仕事を非正規がやっている」(長坂圭造自治労連愛知県本部委員長)、「本庁で月100時間超えの残業が常態化。時短が死語になっている」(蛯原京子名古屋市職員労働組合委員長)と厳しい職場の実態が報告されました。
すやま初美参院愛知選挙区予定候補があいさつしました。