愛知県内の環境団体や公害被害者団体でつくる「健康と環境を守れ!愛知の住民いっせい行動実行委員会」(野呂汎会長)は1日、大村秀章知事と交渉しました。
リニア中央新幹線の問題で実行委員会側は、沿線住民に事業内容を周知せずに強引に工事を進めるJR東海に対する県の態度を批判。「JRの姿勢を改めるよう県から指導せよ。住民生活に直接影響する発生土の搬出ルートや土砂処分等の情報を県の責任において公表するよう指導せよ」と主張しました。
大村知事は、「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会で、JRに丁寧な説明をするよう強く要請している」と回答。会側は、住民説明やアセスメント(環境影響評価)がおこなわれていない事例を突きつけ、「住民合意は得られていない」と批判しました。
中部国際空港島へのカジノを含むIR(統合型リゾート)施設誘致の問題で大村知事は、「中部空港周辺は国際競争力があり魅力がある。MICE(マイス=会議や見本市)を核とした国際観光都市をつくる。ギャンブル依存症対策を充実させる」と答えました。
会側は、「依存症対策はカジノを認めること。IRはカジノありきで賛成できない。愛知全体の観光資源を活かせる政策を進めるべきだ」と求めました。
日本共産党の、わしの恵子県議が同席しました。
リニア工事で住民に説明がされていない事例
①名城非常口立坑工事では発生土処分先、処分先への車両ルート②名古屋駅新設工事で発生土1万立方㍍、汚泥コンクリートなど5万立方㍍の処分先③浅深度地域トンネル上の住民に口頭で説明。工事による影響、トンネルの深さ、土地利用で制限が起きること、資料配布なし、口頭で土地の買取をしたいと説明④守山区内のダンプ通過地域住民への説明⑤春日井市内では、遠方の場所の工事説明会のみおこなわれた。ダンプ通過地域住民への説明なし⑥瀬戸市内のダンプ通過地域のアセスがおこなわれていない⑦春日井から名古屋までの大深度地下トンネル地域の住民に、トンネルの位置、深さ、工事による影響、影響が出た場合の補償など詳細の説明、資料の配布なし。