愛知民報

【18.07.08】暗黒政治を許さない 治安維持法犠牲者国家賠償 要求同盟愛知県本部会長 西田一廣

治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟創立50周年の記念行事で、増本一彦同盟中央会長の講演を聞く人たち=5月27日、名古屋市中区

 

 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟(以下、国賠同盟)は今年、結成50周年を迎えました。
 同盟は、戦前の弾圧体制の中心をなした治安維持法(1925年制定)で弾圧の被害を受けた犠牲者の名誉回復と国家賠償を求めて1968年に結成されました。
 国賠同盟や研究者らが明らかにした犠牲者は別表の通りです。愛知県出身者や県内で検挙された人など地元に何らかのゆかりがある犠牲者は、国賠同盟愛知県本部のリストで900名を超えています。

 その中には、拷問で逮捕から3日で変わり果てた姿となった岩田義道をはじめ日本共産党員や支持者、労働者、農民、女性、学術研究、文化創造など様々な分野で民主的な活動を展開し、戦後の平和・民主主義社会建設の礎となった多数の人々がいます。今は亡きそれらの人々の足跡に光をあて、語り継ぎ、受け継いで頑張ることが私たちの使命です。
 一方、この運動は近年、新しい重大な任務を負うことになりました。昨年6月、共謀罪法が強行成立させられ、治安維持法復活の危険が強く懸念されるからです。国賠同盟はマスメディアにも注目され、犠牲者の遺族が新聞やテレビに何度も登場し、私自身もテレビの取材で暗黒時代再来に警鐘を鳴らす機会を得ました。
 かつては「まだやっているの?」という声も聞かれた国賠同盟が、今では「出番だね」と言われ、会員の努力とあいまって組織勢力が年々、増加しています。戦争と暗黒政治の復活を許さないためにズンと重さを増した使命をしっかり受け止め、これからも奮闘する決意です。