愛知民報

【18.06.03】記者座談会 首長選に変化

 安倍政権の悪行が相次いで噴き出すなか、4月、5月におこなわれた県内自治体の首長選挙の特徴を本紙記者が語り合いました。

石田ひろのぶ春日井市長候補の話を聞く市民=5月19日、春日井市

  A 4月の津島市長選、5月の春日井市長選と東郷町長選を見ると新しい変化を感じるね。日本共産党が応援した候補者が好調だ。

 B 5月20日投開票の東郷町長選挙で、共産党が自主的に支援した無所属新人の井俣憲治氏が、自民・公明の推薦候補を破った。井俣氏は前町議会議長で保守系。「道の駅」巨額建設計画の見直しや福祉・教育重視で共産党と意見交換し合意した。昨年の総選挙の「市民と野党の共闘」に参加した市民や立憲民主党も支援した。

 C 「市民と野党の共闘」が安倍与党を打ち破ったと言えるのではないか。自公側は反共攻撃をしたようだが、効かなかった。「共産党を除く」壁は崩れてきている。

 A 4月15日投開票の津島市長選で、共産党単独推薦の「津島をよくする会」の杉山良介氏は、自民中心のオール与党勢力が支援する現市長を相手にたたかって得票率約38%を獲得した。

 B 杉山さんは共産党の元市議。市長が拒否した「中学卒業までの子ども医療費無料化」を公約に掲げ、市民の共感を広げた。相手陣営はあわてて任期中に実施すると言い出した。政策論戦では杉山さんの勝利だ。

 C 共産党国会議員が津島市に入り、街頭で「杉山さんで安倍ノーの審判を」と訴えた。国の安倍政治も、地方のオール与党政治も行き詰まっている。国政野党の市議は杉山さんを支援した。市民と野党の共同で政治を変えようと呼びかける日本共産党の役割が光っている。

 A 5月20日の春日井市長選挙は。

 B 春日井市長選も政党対決の構図はオール与党対共産党だった。自民・公明などのオール与党勢力が支持する現職候補に、共産党が推薦する「春日井をよくする会」の石田ひろのぶ候補が立ち向かった。

 C 石田さんは、共産党の地区常任委員で無名の新人だったが、得票率22%、投票者の5人に1人が石田さんに入れた。

 B 石田さんが街頭に立ったのは告示1週間前。急速に支持を広げた。社民党県連幹部が激励に駆けつけ、安保法制廃止や9条改憲阻止で共同する市民アクションやママの会の有志がアナウンサーをかってでた。「市民と野党の共闘」は生きている。

 A 安倍自公政権と「オール与党」政治の行き詰まり、重みを増す共産党の存在と役割、市民と野党の共闘の進化が特徴のようだね。この流れを来年の愛知県知事選、統一地方選挙、参議院選挙につなげていきたい。