愛知民報

【18.05.13】イラク日報公表 愛知の自衛隊員も危険に 「非戦闘地域」「安全」は虚構 サマワ 宿営地付近で銃撃戦

 防衛省は4月16日、陸上自衛隊イラク派兵部隊が作成した「日報」のうち、これまでに見つかった435日分を公表しました。隠ぺいされてきた日報が国民と野党の追及で明るみに出てきました。第10師団(司令部=名古屋市守山区)が参加した2005年1月から6月の日報には「陸自宿営地付近で銃撃戦」という記述がありました。イラク派兵の根拠となったイラク特措法では「非戦闘地域」で活動することになっていましたが、県内の自衛隊員は危険と隣りあわせの活動をしていたことが浮き彫りになりました。

イラク日報(2005年5月25日)

 陸自がイラク南部のサマワで活動したのは2004年―06年。「非戦闘地域」の同地で公共施設の復旧・整備など復興支援に当たったとされています。
 本紙が調べたのは名古屋市の守山駐屯地に司令部を置く第10師団の隊員約500人が派遣された第5次派遣の期間(05年1月28日―6月10日)の日報。
 05年5月24日午後10時半ごろ、陸自宿営地から南東約2㌔㍍の製油所付近で銃撃戦が発生しました。この日の日報には現地情報として、「2230(午後10時半)、男が、精製所に近づき発砲(約30発)」「警備員が応戦」との記述がありました。
 宿営地にいた隊員も銃声や曵光弾(えいこうだん)を確認していました。
 翌25日朝にはサマワ市内を見回りしていた自衛隊員が落書きを発見。日の丸に「×」印がつけられ「Death For Japan(日本に死を)」「Japan Crezy(日本は狂っている)」「Go out(出て行け)」と書かれたものでした。
 また、同年2月26日付けの日報には「イラク南東部の全般情勢評価」が記述されています。「迫撃砲、ロケット弾攻撃、車両爆弾(IED)攻撃に警戒」「実行時期は夜間(夜明前直前含む)の可能性やや大(車両爆弾攻撃は昼間)」「C130(自衛隊輸送機)に対するロケット、携帯対空ミサイルによる攻撃の可能性」「コンボイ(輸送トラック隊)に対する車両爆弾(IED)攻撃、自爆攻撃、偽装米軍勢力に要警戒」と報告されています。
 サマワ付近が「非戦闘地域」とは程遠い危険な状況だったことが分かります。

 

戦争法廃止を 日本共産党参院愛知選挙区予定候補 すやま初美

 自衛隊イラク派兵の「安全」は、「日報」を隠ぺいし国民をあざむく虚構でした。
 イラク戦争後、安倍政権が強行した戦争法は「戦闘地域」での軍事活動を可能にします。さらに9条改憲で、海外での無制限の武力行使に道を開こうとしています。「戦争する国」づくりを許さないため、戦争法廃止、改憲阻止に全力をあげます。

 

陸自師団のイラク派兵に
反対する運動を伝える
「愛知民報」
(2005年1月23日付)