JR東海は3月20日、リニア中央新幹線(品川―名古屋)の大深度地下使用の認可申請を石井啓一国土交通相におこないました。
今回の申請は、2001年に施行された「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(大深度法)にもとづくもの。地下40㍍より深いところに道路、河川、鉄道など「公共の利益となる」施設を造る場合に必要な手続き。認可されれば住民や地権者への立退料などの補償が不要になります。
大深度地下利用の対象は名古屋市中区の堀川東岸から岐阜県境の手前まで約17㌔㍍。地上から地下のトンネル上端までの「土被(どかぶ)り」は約43㍍から113㍍です。住宅密集地域を通過し、春日井市では亜炭鉱跡の陥没が心配されています。
JRは当初、「9兆円の事業費は全額自己負担する」と表明。国が認可した2014年の工事実施計画はJRの全額自己負担が前提でした。しかし、安倍政権はJR東海に3兆円の公的資金を貸し付けました(16、17年度)。
昨年12月、名古屋駅などの工事受注をめぐるゼネコンの談合が発覚。JRは民間事業と主張し入札情報を非公開にしています。「春日井リニアを問う会」の川本正彦さんは「公共事業であり、すべて公開すべき」と話しています。
JRは、沿線の一般向け説明会を5月10日から18日にかけて順次実施します。
リニアを考える愛知連絡会とリニアを問う愛知市民ネットは5月9日午後2時から名古屋駅前で抗議宣伝をおこないます。革新県政の会は13日に県政ウォッチングをおこないます。
大深度地下該当町名
JR東海が国土交通相に届け出た大深度地下利用で該当する県内地域は以下の通りです。
★春日井市
明知町、神屋町、坂下町4丁目、坂下町3丁目、坂下町2丁目、坂下町1丁目、上野町、東神明町、松本町、不二ガ丘3丁目、不二ガ丘2丁目、不二ガ丘1丁目、出川町、北城町1丁目、下市場町6丁目、下市場町、堀ノ内町、堀ノ内町北1丁目、熊野町、林島町、小木田町、上条町3丁目、上条町2丁目、上条町4丁目、王子町、下条町1丁目、小野町4丁目、小野町3丁目、小野町2丁目、町田町2丁目、町田町1丁目、細木町1丁目、森山田町、勝川町10丁目、勝川町2丁目、長塚町1丁目、勝川町1丁目、御幸町1丁目。
★名古屋市守山区
大字瀬古、瀬古3丁目、瀬古東3丁目、瀬古1丁目。
★名古屋市北区
上飯田町、上飯田北町4丁目、上飯田北町2丁目、上飯田北町1丁目、上飯田南町2丁目、上飯田南町1丁目、御成通4丁目、織部町、下飯田町3丁目、下飯田町2丁目、下飯田町1丁目、若葉通3丁目、若葉通2丁目、紅雲町、城東町7丁目、城東町6丁目、生駒町6丁目、生駒町5丁目、水切町5丁目、長田町2丁目、長田町1丁目、大杉町4丁目、中杉町3丁目、大杉町3丁目、大杉3丁目、大杉2丁目、清水2丁目、清水1丁目。
★名古屋市東区
白壁2丁目。
★名古屋市中区
三の丸4丁目、二の丸、三の丸2丁目、三の丸1丁目、丸の内1丁目。