愛知民報

【18.04.01】愛知県政リポート 大型開発推進やめ、暮らし・福祉の充実を 抜本転換を要求 日本共産党愛知県議団

 愛知県議会2月定例会は3月26日閉会しました。日本共産党県議団は、2018年度一般会計予算案などを含む20議案に反対しました。県営住宅を管理する特別会計予算案にはここ数年間で修繕費の増額が継続していることを評価し賛成しました。
 わしの恵子議員は、同日の本会議で、一般会計予算案および愛知県国際展示場関連議案に反対する討論に立ちました。

 

2018年度愛知県一般会計予算案などの議案に反対討論をする日本共産党の、わしの恵子議員=3月26日、愛知県議会本会議

安倍追随県政

 わしの議員は、県には「国の悪政から県民の暮らしや福祉・医療・子育て・教育を守る〝防波堤〟の役割を果たすことが求められています。ところが愛知県の予算案はそういう立場に立っていません」と批判しました。

国保、高齢者福祉

 わしの議員は、4月から財政権限が県に移される国民健康保険にかかわり、県が14年度に打ち切った市町村への県単独補助金を復活して保険料値上げを抑えるよう主張しました。
 また、わしの議員は、「特別養護老人ホーム入所待機者が7339人いるが、予算案では地域密着型特養整備費が前年度比7割削減、39億円も減額されている」と告発しました。

看護師確保を

 わしの議員は、看護師修学資金の新規貸与が2019年度から打ち切られることについて、「准看護師課程や定時制で学ぶ人が多く利用している。200床未満の中小病院は准看護師の採用の割合が高い。貸与をやめれば修学が厳しくなり人材確保が困難になる」と強調しました。

 

教育の充実を

 教育問題でわしの議員は、県立高校の老朽化対策の遅れや、エアコン設置費用がPTAの負担であることを指摘。さらに高校進学率が全国最下位で改善が見られないことを批判しました。小中学校の少人数学級については、「県は、国の制度化を求めると答弁したが、国の2018年度予算案では子どもの『自然減』以上に教職員の定数を減らしている」と指摘。県独自での少人数学級の推進を求めました。

 

被爆者支援を

 わしの議員は被爆者支援について、東京都や神奈川県で被爆2世(広島、長崎原爆被爆者の子)への医療費助成がおこなわれていることを紹介し、愛知県でも助成を実施するよう求めました。

 

国際展示場

 わしの議員は、常滑市中部空港島で工事が進められている県国際展示場について、「予算案に234億円計上されているが、総事業費は用地代を含めると非常に多額。しかも全額県費を投入するばく大な事業」と指摘。
 MICE(マイス=国際会議や見本市)誘致を推進する調査費、富裕層向けのクルーズ船係留施設の建設を検討する費用を盛り込んだことについて、「過大な需要予測にもとづいたハコモノ施設など大規模開発に偏重しており深刻な環境破壊を招く」と強調。カジノを含むIR(統合型リゾート)施設誘致に反対しました。

 

リニア新幹線

 わしの議員は、JR東海が建設を進めるリニア中央新幹線について「採算性もなく、深刻な環境破壊、電力の浪費、電磁波の危険性など大きな問題が山積」と述べ、「JRに対し工事の中止を求めよ」と主張。
 「リニアを起爆剤にした中京大都市圏づくりを県民生活を犠牲にして進めている」と批判し、愛知県土地開発公社によるリニア用地買収委託事業を中止するよう求めました。

中部国際空港

 わしの議員は、県が中部国際空港の2本目滑走路をはじめとする機能強化の早期実現を推進する事業費を予算計上していることを批判。「中部国際空港の旅客数はかろうじて1000万人を超えましたが、2005年の開港当時にもいたっておらず、国の交通政策審議会に示された1380万人の需要予測さえ大きく下回っており、必要性も採算性もない」と強調しました。

 

産業構造転換を

 わしの議員は、「世界でたたかえる愛知」をめざすとし高度先端分野の工場や研究所の立地に対し、補助金のばらまき、不動産取得税の免除・軽減など大企業優遇の産業立地促進税制を進める産業政策の転換を主張。中小企業を活性化させる制度融資の拡充や商店街支援を求めました。
 農家の後継者や都会の若者が就農できる農業振興策を求めました。

 

愛知県国際展示場建設予定地=2月23日、常滑市・中部国際空港島