愛知民報

【18.03.25】愛知県政リポート 県がんセンター愛知病院岡崎市に移管 公立病院を維持強化せよ 県議会健康福祉委員会 わしの恵子議員

岡崎市民病院への移管・統合が検討されている愛知県がんセンター愛知病院=3月17日、岡崎市

 

 県は今年2月、愛知県がんセンター愛知病院(岡崎市)を2019年4月をめどに岡崎市に移管し、岡崎市民病院と一体に運営するする方針を示しました。 同病院は1954年開院。昨年4月1日現在の病床数は275床。国からがん診療連携拠点病院に指定されています。
 日本共産党の、わしの恵子議員は14日の県議会健康福祉委員会で、県立病院を整理縮小しようとする県の姿勢を批判。三河地域の公立病院の維持・強化を求める立場から質問しました。
 県側は岡崎市への移管・統合について「協議中」としたうえで、「愛知病院と岡崎市民病院それぞれに得意、不得意がある」と弁解しました。扱う疾患については、「骨や筋肉の悪性腫瘍は愛知病院。頭頚部(とうけいぶ=頭・くび)や泌尿器・生殖器系は市民病院。また、肺がんと乳がんは愛知病院で症例が多数あるが、市民病院では肺がんの手術実績がなく、乳がんの症例が少ない」と答えました。
 愛知病院では、「緩和ケア」をおこなっています。がんによる身体的痛みや、不安や気持ちの落ち込みなど精神的な苦痛を取り除き、家庭や仕事と治療との両立の悩み、医療費など経済的な悩みの相談にも乗っています。
 わしの議員は、緩和ケアの利用状況を聞きました。県側は「緩和ケア病棟の入院患者は5287人、1日あたり17・3人、緩和ケア外来やデイケアは2872人、1日あたり14・1人(2017年4月から18年1月)」と答えました。
 わしの議員は、県を11医療圏に分け「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」に分け県全体で病床削減を進める地域医療構想に触れ、「愛知病院が、回復機能、療養機能の病院に変ぼうすることを心配している。安上がりの医療ではないか」と強調。県の認識をただしました。県側は、「回復期の病床が必要」と居直りました。

 

県看護修学資金新規貸付中止方針 条件改善して継続せよ

 わしの恵子議員は14日の県議会健康福祉委員会で、看護師をめざす学生向けに貸与する看護職員修学資金について、県が2019年度から新規の貸付を中止し廃止する方針を示していることを厳しく批判しました。
 同資金は中小病院の看護職員を確保することが目的。貸与金額は、民間養成施設で保健師・看護師・助産師をめざす場合月額3万6000円。200床未満の病院など免除対象施設に5年間継続勤務した場合、申請で返還義務が免除されます。
 わしの議員の質問に対する県の答弁で、貸与した学生の4割以上が中小病院に就職せずに資金を返還していることが分かりました。
 わしの議員は、「県の修学資金は、金額が少ない上免除要件となる勤務期間が長いなど、民間医療機関の貸付制度と比べて条件が悪い。民間の水準と比べそん色ない制度に改善して継続すべき」とただしました。県側は、「変更する予定はない」と答えました。
 わしの議員は、2013年度の県の事務事業評価調書に「休廃止の影響が大きい」「経済的支援を必要とする者が看護師等学校養成所に就学しやすくするために支援する必要がある」と明記されていることを指摘。「補正予算を組んで対応すべき」と主張しました。