安倍首相は1日の参院予算委員会で、今国会提出を狙う「働き方改革」一括法案から、裁量労働制を拡大する部分を削除することを表明しました。これは世論と野党6党が結束した追及による成果です。
しかし、安倍首相は、「専門職」を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」や時間外労働を過労死ラインの月100時間まで認める「上限規制」を盛り込む構えです。
2月25日に「エキタス東海」が名古屋駅前でおこなった宣伝で、愛知働くもののいのちと健康を守るセンターの吉川正春さんが若年過労死の事例を紹介しました。訴えの一部を紹介します。
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2016年、国立競技場建設現場の土木技師は月210時間を越える残業をしていました。入社翌年の3月に失踪。命を絶ちました。原因は会社にあったにもかかわらず、「会社のみなさん、すみません」と遺書を残しました。広告代理店電通、居酒屋ワタミの過労自死も入社1年未満でした。
若者がわずか1年たたないうちに過労自死に追いやられています。なぜ夢と希望を持ち意欲を持って入った会社で死に至るのか。
会社は目の前の成果を優先し、企業にとって大切な人材育成を見失っています。中間管理職は<RUBY CHAR=”叱咤”,”しった”>激励し、他人を思いやる余裕がない。そんな構図が見えてきます。パワーハラスメントの温床です。
若者は与えられた仕事に一生懸命挑戦し、がんばり続けています。過労自死はいつでも誰にでも起こりうることです。
安倍政権の「働き方改革」法案は、まじめな青年を死に追い詰めるもの。許すことはできません。