愛知民報

【18.02.25】奥三河中山間地の過疎問題 大型事業地元に貢献せず 新城市在住・元愛知県職員 川合 守さん

 革新県政の会が7日に名古屋市内で開いた県知事選1年前集会で、新城市在住の川合守さんが奥三河中山間地の過疎問題について発言しました。要旨を紹介します。

 奥三河とは新城市、設楽町、東栄町、豊根村の1市2町1村のことです。この20年間で人口が急減しています。1998年1月1日に6万4951人だったのが今年1月1日は5万6100人で、8851人の減少です。65歳以上の人口比率は新城市では34・3%ですが、設楽町は53・5%、東栄町48・9%、豊根村56・9%で2人に1人が高齢者、同時に単身の高齢者が増えています。
 急激な人口減と高齢化率の高まりで生活上の問題が発生しています。昨年の新城市議選で日本共産党が集めた市民アンケートで浮き彫りになりました。
 ①就労年齢人口の減が大きく、各自治体の税収が急激に低下。維持的経費や福祉予算に影響②林業や兼業農家の後継者が名古屋、豊橋などに転出。土地の管理が大変③介護施設不足④商店の後継者がなく廃業。買い物は週末に遠方のスーパーへ⑤バス路線は廃止。高齢になっても免許証の返納が困難。90歳で軽トラックに乗っている人も⑥医師不足。病院は豊橋・豊川へ⑦保育園・小中学校が統廃合。通学バスは長距離を走る。高校は縮小され自宅から通えず、豊橋などで借りたアパートから通学⑧新東名高速道路が完成。設楽ダム事業もあるが大手ゼネコン中心。地元の雇用創出に貢献していない⑨新東名高速新城インターができて日帰り観光客は増えたが宿泊客は減少。
 以上の問題を踏まえ、地域振興の政策を練りたいと思います。