仏教、キリスト教など宗教・宗派の違いを超えて憲法9条の大切さを訴える「愛知宗教者9条の会」は9日、名古屋市中区のデパート前で安倍9条改憲に反対し、3000万人署名への協力を訴える宣伝をおこないました。参加者は代わる代わるマイクを握り、戦争反対、平和の思いを語りました。
牧師が投獄された 名古屋キリスト教協議会議長・牧師 松浦 剛さん
メゾチスト派というプロテスタントの教派の流れを汲むキリスト教会の牧師です。
私たちの先祖は戦争に協力した歴史を持ちます。日清・日露戦争に理解を示し、軍人を慰問するなど協力体制を敷きました。太平洋戦争のときには、キリスト教会が戦争勝利を祈るということをしてきました。
日本の軍部はキリスト教会を統合して戦争協力を強要しました。抵抗する牧師100人以上が投獄され、命を落とした人もいます。
戦争が罪悪であるということを知らなかった教派の牧師として、私は深い反省をしています。戦争しないことがうたわれている憲法は国の宝というべきものです。
心の教育を 天理教前教会長・「ピースあいち」語り部 橋本克巳さん
72年前、父親に連れられて満州の開拓に行きました。敗戦とともに地獄の道を歩みました。戦争こそ世界の最大悪です。戦争の語り部として平和の大切さを話しています。
人類始まって長い間、血で血を洗う戦争の歴史でした。21世紀を迎えても戦争の歴史を続けています。世界に戦争がある限り人類の繁栄はありません。争う限り個人の幸せはありえません。世界から戦争をなくすことが人類の悲願です。
平和のすばらしさをぜひお伝えしたい。一人ひとりの心の中に平和を培うことが大切です。心の教育をするのは宗教者の務めと思っています。
戦争はむごい 浄土宗観音寺住職・「ピースあいち」語り部 中野見夫さん
名古屋市熱田区八番町の真宗大谷派の寺で育ちました。船方国民学校1年のときに終戦でした。空襲警報が鳴りますと、防空頭巾とガスマスク姿で逃げ回った記憶があります。
寺は、空襲で亡くなった方の遺体が安置され、けがをした人たちが逃げてくる場所でもありました。本堂で2日も3日も苦しんで亡くなる人がいました。衣類と動物性たんぱく質が焦げた臭いはいまだに記憶があります。目や手がない遺体もありました。子どもながらに戦争はむごたらしいと実感しました。
結婚して一宮に移住し、川に柵をつける運動をしてきました。自分の子が水の事故で亡くなった経験からです。子どもの生存権を守る運動です。戦争になったら子どもの生存権は真っ先に脅かされます。だから、9条の会に参加しています。