政府の働き方改革実現会議(議長=安倍晋三首相)は3月28日、過労死ラインの長時間残業を容認する「実行計画」を決定しました。時間外労働の上限を「月100時間未満」「2―6カ月平均で月80時間以内」とし、過労死ラインの長時間残業にお墨付きを与えるものです。
弁護士や労働組合、過労死遺族、支援者らでつくる労働法制改悪反対実行委員会は3月30日名古屋市中区で、同実行計画に抗議。長時間労働の規制、過労死根絶を求める宣伝をおこないました。
白川秀之東海労働弁護団事務局長は、「繁忙期であれば、命を落とす長時間労働を許容するのは道理に合わない。心身をむしばむ長時間労働はなくすべき」と訴えました。
名古屋高裁でトヨタの2次下請け会社に勤めていた三輪敏博さんの突然死を過労死と認めさせた妻の香織さん(40)は、「月85時間の時間外労働で労災と認定されました。不幸な働き方をする人が増えないように、国は政策を改めていただきたい」と述べました。
長年過労死事件に取り組んできた水野幹男弁護士は、「労働者が死亡してからでは遅い。政府の実行計画では過労死をなくすことはできない」と述べ、「月45時間、年360時間」とする厚生労働大臣告示の法制化を主張しました。