愛知民報

【17.03.19】名古屋市政黒書? 巨額事業の暴走へ 市民は無駄削減求める

 河村たかし市長のもと、2020年の東京五輪や27年のリニア中央新幹線開業のインパクトを引き込むというもくろみから巨額の大型事業の暴走がはじまろうとしています。

信長気取り

 「平成の織田信長」を気取る河村市長の最大目標は、名古屋城天守閣の木造復元。 
 徳川家康の命によって築かれた名古屋城の天守閣は太平洋戦争時の米軍の空襲で焼失。戦後、コンクリート造りで再建されました。これを壊して木造で復元する計画です。
 完成予定は東京五輪の20年。事業費は最小でも505億円と試算されています。
 2万人を対象に市が昨年5月におこなった天守閣木造復元についてのアンケートの回答は、「20年7月にとらわれない木造復元」が40%、「現天守閣の耐震改修工事」が26%と多数を占め、「20年7月までに木造復元」は21%にとどまりました。

過剰投資

 河村市長は、名古屋港の空見埠頭に、アジア最大級の国際展示場(10万平方?)の建設計画を打ちだしました。
 東京五輪の関係で、国内最大規模の展示場・東京ビッグサイトが一時的に使用できなくなるところから、展示会開催の需要を引き込むねらいです。
 ところが同じねらいから、愛知県はすでに、中部国際空港島内に6万平方?の国際展示場の建設工事をはじめています。
 愛知に2つも大規模な国際展示場が必要か――経済界からも過剰投資に疑問が出ています。

地下通路

 27年リニア新幹線開業を前提にした名古屋駅周辺再開発での市負担の全体像は不明ですが、巨額になると予想されます。
 そのひとつが、笹島交差点と、ささしまライブ方面を結ぶ地下通路。「動く歩道」が設けられ、134億円の事業費はさらに膨張すると見られています。

脱河村市政

 日本共産党名古屋市議団が昨秋おこなった市民アンケートの結果では、市政要望の第1位は10代から70代以上の全世代にわたって「無駄な公共事業の削減」でした。アベノミクスのもとで家計悪化が広がるなか、市民はムダな公共事業にたいして厳しい目を向けています。
 市の市民世論調査で、要望の1位は高齢者福祉、2位は健康・医療でした。
 「大型事業の無駄を削って、暮らし応援・福祉充実を」が市民の願いです。
 市民は深いところで河村市政からの脱却を求めています。