河村たかし名古屋市長は、開会中の市議会2月定例会に2017年度予算案を提出しました。一般会計は約1兆1711億円(前年度比7・9%増)。リニア中央新幹線の開業を前提にする名古屋駅と周辺地域開発、名古屋城天守閣の木造化、名古屋港への大規模展示場建設など大型事業の推進が特徴です。福祉・教育分野では、市民の運動と共産党議員団の論戦が反映し前進する施策が盛り込まれました。
国際展示場
河村市長は1月9日付「中日」のインタビューで、今年の名古屋の課題を「名古屋城天守閣の木造復元と国際展示場の建設」と強調しました。
市は新年度予算案に、名古屋港の空見埠頭(港区)に大規模展示場を建設する調査費2000万円を計上。同港金城埠頭にある国際展示場や愛知県が常滑市に建設中の国際展示場と合わせると、東京ビッグサイト(東京国際展示場)を上回る15万平方?の展示面積になります。
名駅周辺開発
河村市長はリニア新幹線依存の名古屋駅周辺開発に夢中です。リニア対応のまちづくりの推進に約2億円、名駅南のささしまライブ24地区の整備費約20億円余を付けました。笹島交差点からささしまライブ地区をむすぶ巨大地下通路の整備費約2億5000万円を計上しました。
民営・委託化
市民税減税で減った税収の穴埋めのために、福祉・教育分野での民営・委託化が推進されます。人件費削減が狙いです。
小学校給食の調理業務の民間委託(3校→8校)、図書館への指定管理者導入(1館→5館)がいずれも拡大されます。公立保育所の廃止・民営化が進められます。各区で実施されている介護保険の要介護認定業務や保健所の集約化が計画されています。
共産党議員団の論戦実る 盛り込まれた市民要望
新年度予算案には、市民要求と日本共産党議員団の論戦が反映し、市民生活に役立つ施策が盛り込まれました(カッコ内は同党議員が取り上げた議会)。
【高等学校の給付制奨学金】6897万円(14年11月、16年2月本会議)
【小中学校に災害避難用スロープの設置】2300万円(16年11月本会議)
【新堀川の悪臭対策】3億6400万円(16年6、11月本会議)
【環境学習センター改修にともなう名古屋の公害史の展示】6480万円(15年11月本会議)
【子ども食堂推進事業助成】150万円(15年11月本会議)
【学童保育への運営助成の拡充】
【学校図書館への司書の配置】1467万円(16年2月本会議)
【就学援助の入学準備金増額】1億9462万円(16年11月本会議)
【病児・病後児デイケア事業】3億1354万円
【ヘルプカード配布】268万円(16年11月本会議)
【保育所利用待機児対策(3歳未満児とする制限を緩和)】28億852万円(15年2月本会議)
【守山養護学校増築】2300万円(12年11月)
【客引き行為規制】150万円(16年9月本会議)
【低所得者の第2子保育料無料化】(16年3月本会議)
【ゴミ減量分別ガイドの全戸配布】3580万円
【船頭場公園、川名公園などの整備(津波避難所)】63億4885万円(15年2月本会議)
【非常勤講師の正規教員化】(15年9月本会議)
【いじめ対策】134万円
【救急隊増隊のための消防隊庁舎改修】2920万円
小学校給食は直営で
守山地域労働組合総連合は2月16日、新年度から民間に調理が委託化される瀬古小学校の最寄りのスーパー前で、「小学校給食は正規職員による直営・自校方式で」と訴える宣伝をおこないました。日本共産党の、くれまつ順子市議が参加しました。