JR東海は2月11、12の両日、リニア中央新幹線(品川―名古屋間)のトンネル掘削作業基地となる「坂下非常口」(春日井市坂下町、上野町)建設の工事説明会を開きました。報道関係者を締め出しておこなわれたため、本紙記者は説明会に参加した地元住民から話を聞きました。
リニア中央新幹線の愛知県内のルートはすべてトンネル。JRは県内5カ所に非常口(立て坑)を設置。坂下非常口は直径40?、深さ85?で、シールドマシンなどトンネル掘削用の機械や土砂を出し入れする予定。リニア新幹線の営業運転開始後は緊急時の乗客らの脱出口になります。
JRは昨年11月、名城非常口(名古屋市中区)、名古屋駅(同市中村区)の工事に着手。坂下非常口の工事はそれらに続くもの。発生する土砂は10万立方メートルで、瀬戸市内のけい砂(ガラス原料)鉱山跡地の埋め戻しに使う計画です。
発生土を運搬するダンプカーの運行台数は最大1日140台。運行時間は午前7時から午後6時の11時間。毎時12台で、平均して5分おきに発車する計算。
工事で発生した土砂を瀬戸の鉱山跡地へ運ぶルートも明らかになりました。坂下非常口の工事現場を出発したダンプカーは国道19号を南下し、春日井インター東の交差点から国道155号を通って瀬戸へ向かいます。帰りは、高蔵寺ニュータウン西側の県道199号を通ります。
同市内の国道155号線沿いに住む自営業の石田淳一さん(77)は、「前の道路は片側2車線で混雑しています。今でも2階の窓を開けると会話ができない騒音です。5分おきにダンプカーが来られてはたまりません」と話しています。