愛知民報

【17.02.19】ヒバクシャ国際署名 生きている間に核兵器の違法化を

 国連総会は昨年12月23日、核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議を、賛成113カ国という圧倒的多数で採択しました。同交渉は今年3月、6―7月におこなわれることになりました。「核兵器のない世界」をつくる世界の反核平和運動が大きな力を発揮しています。「生きている間に核兵器廃絶を」と広島・長崎の被爆者が直接呼びかけた国際署名(ヒバクシャ国際署名)が世界中で数億の署名を目標に始まっています。愛知の関係者の声を紹介します。

アメリカに屈服した日本政府

 核兵器禁止条約の交渉開始を求める国連総会の決議に「棄権」を続けてきた日本政府は昨年12月の決議に対しては「反対」に後退。核兵器保有国アメリカのどう喝に屈し、被爆国にあるまじき態度をとりました。

“非人道性”賛同155カ国

 2012年3月核不拡散条約(NPT)再検討会議で、16カ国が核兵器が「再び使われるなら、甚大な人道的影響は避けられない」と訴える共同声明を発表。その後「核兵器による人道的影響」国際会議が13年3月にノルウェー、翌14年2月にメキシコ、同年12月オーストリアで開かれ、共同声明に賛同する国は世界155カ国に広がりました。

生き地獄体験しないように 愛知県原水爆被災者の会事務局長 水野秋恵さん

 4歳の時に広島で被爆しました。爆心地から1・2?。家の下敷きになっているところを助けられました。
 私たちが呼びかけている「ヒバクシャ国際署名」は、「平均年齢80歳を越えた被爆者が、後世の人々が生き地獄を体験しないように、私たちが生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したい」という切実な願いを込めた署名です。
 核兵器禁止条約の締結交渉を開始する会議の開催が、世界の圧倒的多数の国の賛成で決定されました。唯一の被爆国である日本政府が反対したのは恥ずべきことです。交渉会議に日本政府は参加し、被爆国としての役割を果たしてほしい。

広く呼びかけよう 原水爆禁止愛知県協議会事務局長 横江英樹さん

 核兵器禁止条約の締結交渉会議に、国連の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて違法化されます。 
 県内の14の自治体首長が署名(今年2月1日時点)。大村知事にも署名を呼びかけます。
 岡崎額田平和委員会は、広く呼びかけ、1893人分の署名を集めました。友人に署名用紙を郵送したら20人30人の署名が返送されたり、幼稚園の園長が「重要なこと」と個人名のお願い文をつけ保護者に配布。200人の署名を集めたと報告がありました。
 愛知全体では現在4万3350人分。3・1ビキニデーと平和行進を節目に全力をあげます。

病院の待合室で

 一宮市の尾張健友会グループ(愛知県民主医療機関連合会加盟)では、尾張健康友の会と職員を先頭にヒバクシャ国際署名を集め、2300人分を超えました。千秋病院待合室で診療を待つ患者にも署名を呼びかけています。