愛知県労働組合総連合(愛労連)は5日、子育て世帯が健康で文化的な最低限度の生活に必要な最低生計費の試算結果を発表しました。生計費が平均年収を大きく上回り、子どもの貧困の原因になっていることが浮き彫りになりました。
税・社会保険料込みの年間必要最低生計費(試算額)は、?30代夫婦と幼稚園児と小学生で568万7340円?40代夫婦と中学生、小学生で652万1052円?50代夫婦と大学生、高校生で844万7124円でした。
子育て世代に共通する特徴は、子どもの教育費負担の重さです。教育費は30代では月額約2万7000円、40代では3万7000円、50代では、約13万円という結果でした。
同調査では、2015年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」を使って、夫の平均年収を推計。企業規模5人から999人の事業所に勤めている人の所定内給与と一時金(賞与)を合わせた年収は、30代では412万円、40代では488万円、50代では530万円でした。最低生計費試算額を下回りました。
愛労連のプロジェクトチームの中澤秀一静岡県立大学准教授は、「深刻で放置できない」と指摘。義務教育の完全無償化、賃金の大幅引き上げ、中小企業の仕事おこし、社会保障の拡充を訴えました。