愛知民報

【16.09.11】日本共産党 名古屋港ポートアイランド視察 大型開発に警戒

 
 8月26日、日本共産党の愛知県議と名古屋市議が名古屋港の人工島「ポートアイランド」を視察しました。
 ポートアイランドは、名古屋港内の底にたまった土砂を掘り下げて航路を確保するしゅんせつ作業で発生した土砂の処分場。国土交通省の中部地方整備局が管理しています。

カジノ構想も

 1975年から土砂の搬入がはじまり、現在では東西1・4??、南北2??、外周6??、ナゴヤドーム50個分に相当する人工島になっています。同整備局の担当者は、土砂の受け入れは「あと3年くらいでいっぱいになる」と語りました。
 国、県、名古屋市など関係行政機関や経済団体でつくる名古屋港基本計画検討委員会では、ポートアイアンドの土地利用が検討されています。
 名古屋港の国際港湾開発と一体で、大型船の泊地建設や公認ギャンブル場のカジノ構想の話が出ているとのことです。
 

2本目滑走路

 国交省中部地方整備局は、ポートアイランドに代わる名古屋港のしゅんせつ土砂の置き場を中部国際空港沖(常滑市)が最適だとして、環境アセスメントの手続きをすすめています。
 2020年度から、中部国際空港の西南側の隣接海域に、名古屋港のしゅんせつ土砂3800万立方?を投入し250~350?の埋立地をつくる計画。環境団体は伊勢湾の海洋環境悪化を指摘しています。
 国交省や愛知県は、中部国際空港の2本目滑走路の建設用地に利用することを念頭においています。

需要無視

 財界筋からは「名古屋港のしゅんせつ土砂処分と中部国際空港の2本目滑走路建設の一石二鳥」という声も出ていますが、海と空で需要無視と自然破壊の過大開発に向かう危険があります。
 中部国際空港の需要は、2005年の開港時を下回っています。着陸回数を見ると、羽田、成田、福岡、那覇、関西、中部の国内の主要6空港のうち中部はもっとも少ない4万5千回(2013年度)。
 名古屋港と中部国際空港の双方で、需要を無視する大型開発の暴走に警戒が必要です。