愛知民報

【16.09.04】愛知で すすむ 戦争法態勢 地球規模で日米共同作戦

名古屋港に米軍ストライカー

 安保法制=戦争法の発動に向け、県内の自衛隊部隊や公共施設を使い、地球規模での集団的自衛権行使を想定した態勢づくりや日米共同作戦の訓練がすすんでいます。他方、戦争法の発動に反対し同法の廃止を求める県民の運動が広がっています。

実戦訓練

 このほど、名古屋港の飛島ふ頭に陸揚げされたのは、ハワイ駐屯の米陸軍の基幹部隊と重機関銃、榴弾砲、高速装甲戦闘車ストライカーなどの兵器。
 同部隊は9月11日から10日間、滋賀県の琵琶湖北西部にある陸上自衛隊あいば野演習場で日米共同の実動演習に参加します。陸自側の参加部隊は第3師団第36普通科連隊(伊丹市)。日米合わせて千数百人規模の実戦訓練になります。
 従来、あいば野での日米合同演習に参加する米軍の兵員や装備は四日市港に陸揚げされてきました。
 名古屋港の利用は今回がはじめて。米軍は戦争法下の軍事拠点として名古屋港を重視しています。

地球規模

 戦車に対抗できる強力な武器をそなえ、高速で兵員輸送ができるストライカーは空輸可能。同車が配備された米陸軍の「ストライカー旅団」は世界のどこへでも96時間以内に到達できる速達性が特徴です。
 今回の日米実動訓練の名は「オリエント・シールド」。中東・北東アフリカ地域での集団的自衛権行使を具体化する日米共同の軍事行動で、あいば野では、火砲や重火器を用い、自衛隊と米軍が肩を並べて実戦訓練をおこなうと見られます。

中止求める

 滋賀県の「あいば野平和運動連絡会」は8月8日、防衛大臣や陸上自衛隊にたいし日米共同実動訓練の中止を申し入れました。
 昨年7月、同演習場で発射された自衛隊の重機関銃の弾丸が民家を貫通する事件が発生しています。

空自小牧機 ジブチへ

 8月24日県営名古屋空港から、同空港に隣接する航空自衛隊小牧基地所属の空中給油・輸送機KC767が陸自中央即応連隊(宇都宮市)の隊員を乗せ、北東アフリカ・ジブチの自衛隊基地に向けて飛び立ちました。 
 目的は「在外邦人退避訓練」(8月23日―9月1日)への参加。訓練の内容は、在外邦人の陸上輸送、航空機への誘導、自衛隊と米軍との連携。
 アデン湾の海賊対処のために設置されたジブチの自衛隊基地は、中東・アフリカ地域の自衛隊の恒久的な軍事拠点になっています。
 戦争法制により紛争地での邦人保護活動に「妨害粉砕型の武器使用」が容認されました。在外邦人の救出行動は、武力行使をともなう軍事作戦になる危険性があります。
 世界の紛争に米軍と一体で軍事介入する安倍政権の危険な動きは、在外日本人に危害が及ぶおそれを増大させています。