中部電力(中電)は6月29日、2016年度から25年度まで10年間を見越した電力需給の見通しをまとめ、公表。今後10年間の中電管内(愛知県全域を含む)の電力需給は毎年、安定供給の目安となる8%以上の予備率を見込んでいます。いずれの年も、原子力発電所の供給力を「0」としたうえで計算しています。
同見通しでは、今夏の7、8月の最大電力を2428万??と想定。供給力2728万??を大きく下回ります。予備率は12・3%です。
中電が4月に経済産業省に提出した、2015年夏並みの猛暑を想定した最大電力の値2567万??をも下回っています。
この夏は、2011年の東日本大震災が発生してから初めて、政府が「特別な節電要請はおこなう必要がない」という方針を決定している夏です。節電、省エネルギー、再生可能エネルギーの普及で、原発を再稼働しなくても電力がまかなえることが浮き彫りになっています。
中電唯一の原発、浜岡原発(静岡県御前崎市)は5年間、全面停止したままです。東海地震の震源域の真上に立地する同原発を再稼働する必要はありません。
伊方原発を再稼働するな
四国電力は12日、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)を再稼働させました。新しい規制基準のもとでの再稼働は5基目です。
同原発は、地震発生確率が高い中央構造線沿いに立地。事故が起きれば、陸路、海路とも閉ざされる危険が指摘されています。
同原発では、きわめて毒性が高く、核兵器の材料になるプルトニウムをウランと混合した燃料(MOX)を使用します。
再稼働前夜の11日、原発再稼働に反対する市民が、名古屋駅前で抗議の宣伝をおこないました。