愛知県平和委員会は7月30日、『愛知県平和運動史』の発刊を記念するつどいを名古屋市内で開きました。
同冊子は1935年から2015年までの愛知県内の平和運動を記録。豊富な資料と背景説明により愛知の平和運動を生きいきと描いています。
1952年、伊良湖岬への米軍試射場設置に反対する大闘争により撤回を勝ちとったことや、84年に米海軍依佐美通信所の撤去を求めて1万4000人の「人間の鎖」が同通信所を包囲し、94年に日本に返還させたことなどを紹介しています。
つどいでは国際政治学者の畑田重夫さん(93)が講演。「愛知の平和運動は、新村猛さん、坂田昌一さんなど学者・研究者が指導的役割を果たし、日本と世界の平和運動をつないできた」と指摘しました。
また畑田氏は海外派兵の出撃基地となっている空自小牧基地、軍用機製造の三菱重工の問題について、「基地機能強化を許さない愛知の運動が果たす役割は大きい。『運動史』が活用されることを願う」と語りました。
5年がかりの編集作業を担った委員らを代表し、森賢一さんは、「世界の平和を愛する人々との絆と連帯を感じることができるもの」と説明しました。
一冊1500円。問い合わせ=愛知県平和委員会☎052(931)0070まで。