原水爆禁止国民平和大行進は、「核戦争阻止」「核兵器廃絶」「被爆者援護連帯」「原水爆禁止2016年世界大会の成功」をスローガンにかかげて全国から被爆地の広島・長崎に向けてすすんでいます。愛知県内では5月31日から6月11日まで取り組まれました。横江英樹原水爆禁止愛知県協議会事務局長に運動の特徴について寄稿してもらいました。
共同広がる
愛知県内の平和行進は、愛知県原水爆被災者の会(愛友会)、コープあいち、きょうされん愛知支部、うたごえ協議会、国民平和大行進実行委員会に参加する諸団体などが「あいち平和行進共同連絡会」を構成して取り組みました。
原発や安保法制に反対する運動との交流が広がるなか、新しい層の参加もありました。 38コース、行進距離約370??、のべ参加人数8036人、沿道募金46万315円、被爆者国際署名3454人分、平和行進に託された折り鶴は6万9千羽以上でした。
オバマ米大統領が5月27日、現職の大統領として初めて被爆地広島を訪問したことにより、注目されました。
非人道性に焦点
今年の平和行進は、「核兵器のない世界」実現へ、新たな行動に踏み出す運動の跳躍台であり、戦争法廃止など非核・平和の日本をめざすたたかいの大きな結集点です。
広島、長崎への原爆投下から70年がたち、被爆者の平均年齢は80歳を超えました。「核兵器と人類は共存できない」「生きているうちに核兵器の廃絶を」との被爆者の願いは切実です。
核兵器の非人道性に焦点をあて、核兵器を法的に禁止し、廃絶すべきという声は世界の大勢です。
昨年の国連総会では、核兵器の禁止をもとめる決議に、圧倒的多数の国の政府が賛成しています。私たちがとりくんでいる「被爆者が訴える国際署名」はこの動きを後押しするものです。
被爆体験聞く
今年のあいち平和行進では、被爆者の声を聞き、被爆者とともに歩くことを重視した取り組みをおこないました。これまでも被爆者の方々は参加して歩いてきましたが、行進の中で被爆体験を意識的に発言する場を持つことはしてきませんでした。
今回は出発式や終結式、休憩場所でこれまでの激励あいさつを、被爆体験の発言に切り替えました。その場には、被爆体験を聞いたことのない若者や自治体職員、多くの地域の方々もおり、参加者から「各所で被爆体験が聞けてよかった」「被爆者に成り代わって歩きます」などの感想が寄せられました。
被爆者からも「被爆者と平和行進は切っても切り離せないもの。一緒にがんばりましょう」などの声があがっています。
一緒に広島へ
8月に広島・長崎でおこなわれる原水爆禁止世界大会は、「核抑止力」論や「核の傘」論から抜け出し、核兵器禁止条約をつくる圧倒的な国際世論を構築する運動のスタートとなる大会です。
安保法制=戦争法を廃止し、日本国憲法の立憲主義・平和主義・民主主義を回復する国民的共同の流れが広がるなかで、核兵器禁止条約実現へのリーダーシップを発揮する日本政府をつくる展望を切り開く大会でもあります。
被爆者が訴える国際署名運動のスタートとなる大会でもあります。ご一緒に広島に行きましょう。