愛知県議会6月定例会は最終日の5日の本会議で、県が県営名古屋空港(豊山町)内に建設中の「あいち航空ミュージアム」の観覧料を定め、運営に民間の指定管理者導入を定めた愛知県名古屋飛行場条例の一部改正案を賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
同ミュージアムは、航空機産業の振興をかかげる大村県政が、同空港の集客の目玉として推進しているもの。地上2階建、延床面積7400平方?で、今年秋までに展示内容を決定し、来年9月完成をめざします。県が見込む年間来場者数は初年度は65万人、2年目以降は35万人です。
日本共産党の、しもおく奈歩議員は同条例改正案の反対討論に立ち、同ミュージアムでの展示が 戦争美化につながることを危惧する意見を述べました。同議員は、「航空兵器が大半を占める『日本の名機100選』が展示されると聞いている。戦闘機の説明には『果敢に挑んだ』『命中率を上げた』という記載もある。懸念されるゼロ戦復元機の展示を県がすすめる恐れがある」と強調しました。
「大人1000円」といわれる観覧料について、「展示内容が決まっていないのに観覧料が先に決まるというのは順序が逆で説明が付かない」と批判しました。
日本の名機100選 80機が戦前製、軍用ずらり
「日本の名機100選」とは、日本の航空発展に貢献してきたとされる?名機?を故・木村秀政日本大学名誉教授が選定し、25分の1の模型で再現したもの。同模型は県営化前の旧名古屋空港国内線ターミナルビルにあった航空宇宙館で展示されていました。
1910年に国内で初飛行したアンリ・ファルマン機から1982年のボーイング767輸送機までの100機種です。
うち、80機種は第2次世界大戦が終結した1945年までに製造されたものです。?ゼロ戦?の名で知られる三菱零式艦上戦闘機など、戦闘機、攻撃機、爆撃機など軍用の機種がずらりと並びます。
戦後の機種でも、航空自衛隊向けに納入された戦闘機や輸送機、ヘリコプターが目立ち、民間旅客機として使われている機種はYS―11やボーイング767の機種です。
旧日本軍 航空兵器
零式艦上戦闘機▽1式戦闘機?隼?▽1式陸上攻撃機▽艦上爆撃機?彗星?▽2式単座戦闘機?鍾馗?▽2式大型飛行艇▽2式複座戦闘機?屠竜?▽2式水上戦闘機▽3式戦闘機?飛燕?▽艦上攻撃機?天山?▽局地戦闘機?雷電?▽A―26長距離機▽4式重爆撃機?飛竜?▽4式戦闘機?疾風?▽夜間戦闘機?月光?▽艦上偵察機?彩雲?▽陸上爆撃機?銀河?▽局地戦闘機?紫電改?▽ロケット戦闘機?秋水?▽ジェット特別攻撃機?橘花?