愛知民報

【16.04.17】半田市議会 政務活動費復活 使途 議員に説明責任 ラベンダー事件を忘れずに市民監視を

 半田市議会は3月定例会の最終日の3月25日、議員一人当たり年間15万円の政務活動費条例案を賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
 同議会では2006年7月、市議12人(保守系市民クラブ9人、公明党3人)が、政務調査費(当時)を使って参加した札幌市での都市問題研究会議をすっぽかしてラベンダー畑を観光。政務調査費の目的外使用が問題になり、議会は翌年廃止しました。
 今回の政務活動費復活について、市議会は昨年秋、市民の意見募集をおこなったところ、116件の意見の7割にあたる82件が反対でした。「ラベンダー事件で廃止したものをいまなぜ復活するのか」、「市民生活は苦しいのに、議員報酬プラス政務活動費の支給は理解できない」など市民から強い批判が寄せられました。
 日本共産党の山内悟議員は、全会派が参加する政務活動費検討委員会で、「市民の理解は得られていない。政務活動費の復活は断念すべき」と主張しました。
 しかし、検討委員会は議会への復活条例案提出をすすめました。山内議員は抗議の意思表示として昨年11月から同委員会を欠席していました。
 これに対し議会政治倫理審査会は2月24日、検討委員会欠席を理由とし、山内議員に議員辞職を勧告。3月25日の市議会本会議では同議員に対する辞職勧告決議案を可決しました。
 山内議員は「辞職勧告は数の横暴であり、議員を辞めるつもりはない。政務活動費の復活反対という市民の声を封じ込めるものだ」と話します。
 政務活動費検討委員会は、議会規則に定めがない会議です。山内氏は「欠席をもって辞職勧告を出すのは行き過ぎ」と強調しています。
 山内議員は、検討委員会欠席は政務活動費復活に「異議あり」の民意に応えた対応と説明し、議員継続を表明。市民から激励の声がでています。
 今回の政務活動費の条例・規則の検討過程で、議員から「これでやれるかどうかお試しだ」「海外視察にも使える」という、緊張感に欠ける声が出たと言われています。
 新年度からの実施にあたり、議員・議会の使途説明責任と市民のきびしい運用監視が求められます。