戦争法(安保法)の強行から半年。7月の参院選を前に、同法廃止と立憲主義回復をめざす市民運動と野党共闘が広がっています。
県弁護士会が「異議あり」とデモ
愛知県弁護士会は19日名古屋市中区で、安保法制の廃止に向けて立憲主義の回復を求める愛知大集会を開き、弁護士150人を含む約2800人の市民が集まりました。
川上明彦県弁護士会長は「だめなものはだめでしょう。今日は安保法制廃止の決起集会」と訴えました。
本秀紀名古屋大学教授は安倍内閣が明文改憲をめざしていることを告発。女子高校生は「過去を学び、未来を知り、未来を守らなければならない」と語りました。牧師の島シヅ子さんは沖縄・辺野古新基地建設反対のたたかいを報告。「安保法制に反対するママの会@愛知」の新美加寿奈さんは「野党共闘を推進する?おしゃべり作戦?を決行中」と述べました。シンガーソングライターの五島良子さんが反戦歌を熱唱しました。
日本共産党から井上さとし参院議員が連帯あいさつ。民主党県連と社民党の吉田忠智党首からメッセージが寄せられました。すやま初美参院愛知選挙区予定候補も参加しました。
2000万署名成功へ
愛知県内各地で昨年9月19日の戦争法強行に抗議し、同法の廃止・立憲主義の回復を求める「19日行動」が取り組まれています。
江南市では江南・扶桑・大口地域集会が行われました。同集会には日本共産党の本村伸子衆院議員、社民党の山登志浩県連代表(江南市議)が参加しました。
戦争法廃止2000万署名が集まっています。阿久比町では、5000人を超える町民が署名しました。目標を突破し、新たな目標に挑戦します。
名古屋市東区のスーパー前では21日、同区9条の会や日本共産党などの呼びかけで4時間のロングラン宣伝。同日中区大須では「愛知青年ネット(青年革新懇)」が宣伝し、署名を呼びかけました。
暮らしや経済でも共同
安倍自公政権の暴走政治に反対し、野党共闘を求める運動は、雇用や経済、くらしの問題にも広がっています。
掲げている要求は、消費税10%増税中止、認可保育所の増設、介護職員の賃上げ、最低賃金の引き上げ、原発再稼働反対など多彩です。
19日には名古屋市内で、最低賃金を1500円以上に引き上げ、貧困脱却を求める若者たちが、「エキタス東海」の?立ち上げイベント?を行いました。
愛知で進む「戦争する国」づくり
愛知で戦争法に対応する戦争体制づくりがすすめられています。
陸上自衛隊第10師団の守山駐屯地(名古屋市守山区)の所属部隊は現在、内戦状態にあるアフリカ・南スーダンで活動中。道路整備にあたる施設隊のほか、防疫活動を理由に核・生物・化学戦に対処する特殊武器防護隊も派遣されています。
戦争法では、武力行使につながる「駆けつけ警護」ができるようになり、自衛隊員が「殺し殺し合う」事態になるおそれがあります。
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戦闘地域での武器・弾薬の輸送や給油など兵たんが可能となる戦争法のもと、米軍など有志連合軍の対IS空爆支援のため、航空自衛隊小牧基地の空中給油輸送機の派遣もありうるといわれています。
防衛省は、米軍の空・海・海兵隊機に給油可能となる新型空中給油機を導入します。
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海上自衛隊は2月、艦艇21隻が参加する大規模な機雷戦訓練を伊勢湾で実施しました。
名古屋港など県内港湾への米軍・自衛隊艦船の寄港など軍事利用が広がっています。
防衛省は民間船舶や船員の軍事動員を計画しています。
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愛知は、全国最大の軍需産業の集積地。三菱重工は、小牧南工場で空自用の最新鋭ステルス戦闘機F35の組み立てを開始。国産ステルス戦闘機の試作機も開発しました。日米両政府は、同工場をアジア・太平洋地域のF35の整備拠点にすることに合意しています。
三菱の県内工場では、ミサイルのほか、米軍の軍事作戦を正確にする「準天頂衛星」の打ち上げロケットを生産しています。
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県内の大学・研究機関を軍事研究に組み込む動きも重大です。
戦争法の影響で自衛隊入隊が減り、防衛省は中高校生の入隊勧誘や職場体験の取り組みを強めています。
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戦争法施行の29日午後6時から安保法制に反対する緊急行動が名古屋市中区栄でおこなわれます。