「みんなで食べると楽しい」 こども食堂
名古屋市千種区で昨年12月から「こども食堂」がはじまりました。主宰しているのは、同区内でレストランを経営する加藤三重子さん(65)。自店の定休日に、月に一度、ボランティアスタッフが集まり、子どもに無料で食事を提供しています。
1回目の12月27日のメニューは「カレーライスと芋煮」、2回目の1月31日は「混ぜご飯と豚汁」でした。いずれも、子どもは無料、おとなは1食300円です。
1月31日は、幼児8人、小学生9人、中学生2人のほか、親や見学の大人43人が来店。午後5時開店で、6時40分には用意した「混ぜご飯と豚汁」がなくなりました。
「カウンター席に10人の子どもたちが並ぶほどで満員御礼。『みんなで食べるとおいしい』と好評でした」と加藤さん。 2月の予定メニューは「とりそぼろ、野菜たっぷりの雑煮」子どもたちの要望を取り入れて決めました。
加藤さんは「こども食堂」をはじめた動機を、「飲食業者として、子どもたちを支えるために何ができるかを考えた」といいます。店にある食器や調理器具はそのまま役立ちました。
協力の輪が広がっています。2回目には、2万円余の寄付がありました。「こども食堂」の運営スタッフ募集は、口コミやインターネットで。加藤さんは「ゆるやかなつながりで、スタッフを広げることを心がけています」。
わかる喜びと成長 無料塾
経済的困難で塾や家庭教師を利用できない子どもたちへの学習支援を行う「無料塾」。
一昨年からスタートしたのは、大治町です。
夏・冬休みの年2回、3カ所で開催。小・中・高校生まで対応します。
「夏・冬休みの宿題のお手伝いをします。勉強や進路の悩みにお答えします」と呼びかけます。
退職教員らと日本共産党の吉原経夫町議が取り組んでいます。吉原さんは中学、高校の元教師(数学)。同塾会場の周辺に案内ビラを配布。つながりがなくても4~5人の子どもが参加。休みの宿題を持ってきて教えてもらう小学生が多いといいます。
いじめが原因で不登校という女子生徒(14)は、「中学の勉強を少しでもやりたい」と同塾に参加しています。
同町の子ども出生率は、愛知県下トップ。吉原さんは「町に子育てや教育への支援を求めたい」と語ります。
行政の支援も始まっています。名古屋市は「生活保護世帯等の子供の学習サポートモデル事業」を2013年度に開始。北医療生活協同組合は同事業を受託。無料の「寺子屋学習塾」を行っています。中学生が対象で、生活保護世帯等への紹介は区役所が実施します。
同塾は、北区内3カ所で週2回開催。30人を超える子どもたちが参加しています。
同生協の担当者、矢田哲史さんは「授業につまづいている子も、援助を通じて心を開いて変化します。学習だけでなく子どもを丸ごと支えていくことが大切」と熱く語ります。
「貧困大国」脱却へ全力―日本共産党
平均的所得の半分(貧困線)を下回る世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合(子どもの貧困率)は16・3%(2012年厚生労働省調査)で過去最悪。
愛知の18歳未満の子どもは約127万人。貧困率16・3%を当てはめると20万人を越す子どもが貧困状態で、乳幼児(0~6歳)では約48万人のうち8万人近くにのぼることになります。深刻です。
日本共産党の志位和夫委員長は1月27日、衆院代表質問で、「貧困と格差をただし、暮らし最優先で日本経済再生をはかる4つの提案」をおこないました。
?消費税の10%増税を中止する
?社会保障を削減から充実に転換する
?人間らしく働ける雇用ルールをつくる
?環太平洋連携協定(TPP)交渉から撤退し、日本の経済主権を回復する
日本共産党の参院比例代表たけだ良介予定候補と愛知選挙区すやま初美予定候補は、「貧困大国」脱却の政策をかかげ、参院選勝利をめざして活動しています。