安倍政権は国民の生存権保障の?最後の砦?である生活保護を引き下げました。生活保護基準は住民税の非課税限度額、就学援助、最低賃金、国民健康保険・介護保険の負担減免、公営住宅の家賃減免など他の制度にも連動しています。生活保護基準切り下げはくらしを支える制度全体を引き下げます。「困った人が安心して生きられる日本をつくろう」と声が上がっています。
「食事毎日1食、風呂週1回」
「生活保護の減額は本当にきつい。食事は毎日1食。風呂も週1回。役所は『最低限の生活費をお渡ししている。家計簿をつけて持ってくるように』と言う。これ以上何を切り詰めろというのでしょうか」――
「生活保護基準引き下げ反対愛知連絡会」が5日名古屋市内で開いた総会で、生活保護受給者が厳しい生活の実情を訴えました。
安倍政権は2013年8月から15年度までの3年間で、670億円の生活保護費削減を強行しています。96%の受給世帯で平均6・7―最大10%の削減となり、子育て中など多人数世帯の削減幅が大きいのが特徴です。
愛知県内で生活保護を受けている20代から80代までの計16人は今年7月、名古屋市など4市に生活保護基準引き下げ処分の取り消しと、国に国家賠償を請求する訴訟を名古屋地裁に起こしました。3月から4回の口頭弁論がおこなわれています。
森弘典弁護団事務局長は、「厚生労働省が出した基準引き下げの根拠は、デジタルテレビなど電化製品の値下がりを過大に影響させている物価指数です。『物価偽装』にほかなりません」と指摘。同氏は「生活保護基準引き下げ反対の運動を通じ、住民税非課税基準が据え置かれるなどの成果も勝ち取りました。健康で文化的な最低限度の生活を守り抜く運動を進める上で裁判は大きな意義を持ちます」と強調、裁判の傍聴や宣伝行動など支援をよびかけました。
総会で講演した、都留民子県立広島大学教授は「社会保障を商品としてもうけの対象とする新自由主義思想とたたかわなければならない。社会保障を充実してこそ、内需を拡大し経済を再建できる」と語りました。