愛知民報

【15.11.01】無謀なリニア計画を批判 「リニア中央新幹線問題を考えるつどい」

 
 日本共産党は10月24日名古屋市内で「リニア中央新幹線問題を考えるつどい」を開催しました。3人のパネリストが採算、環境、安全の角度から、JR東海が進めるリニア計画を厳しく批判しました。発言の一部を紹介します。

採算取れない 千葉商科大学大学院客員教授、アラバマ大学名誉教授 橋山禮治郎さん

 JR東海がリニア新幹線を推進する本当の目的は、リニアを実用化して世界に示すことです。高速であることは良いことだという独善です。高速を自慢をすることは時代遅れです。
 他の新幹線と乗り入れもできず、貨物を運ぶこともできないリニアは採算をとることはできません。労働力人口はこれから減り、需要は増えません。輸送力不足というJRの主張は破たんしています。リスクが高い事業はやめるべきです。

活断層地震の危険 日本自然保護協会 自然保護部保護室主任 辻村千尋さん

 日本列島の活断層の活動性が高まっています。活断層は一度動いたら、止める技術はありません。
 リニアが通過する地域は30年以内に深度6以上の地震が起きる確率が高い。JR東海は「できるだけ短距離で通過するから大丈夫」と主張していますが、ありえない話です。
 大地震が起きたら、南アルプスは大崩壊します。トンネル工事をしている最中に壊れる可能性もあります。JRも国も立ち止まって考え直すべきです。

歩いて逃げるのか 日本科学者会議リニア研究連絡委員会代表 長田好弘さん

 山梨実験線でのデータが営業線で通用するか未知数です。保守の労力は並大抵のことではありません。
 リニアは大半がトンネルです。万一、トンネル内で事故が起きたときに安全に脱出する経路が確保されていません。JRは過去のトンネル事故の教訓を生かすべきです。JRの説明は極めて不十分です。
 乗客を暗いトンネルを非常口まで何キロも歩かせ、地上まで階段をのぼって逃げろというのでしょうか。