愛知民報

【15.10.11】徳山ダムの水を引く木曽川水系連絡導水路 ムダにムダを重ねる

見直し公約消える

 「木曽川水系連絡導水路」は不要だとして、愛知県の住民グループが愛知県と同県企業庁長を相手取り、318億円の公金支出差し止めを求めていた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は9月17日、住民側の請求を退けた一審判決を支持し、控訴を棄却しました。住民側は二審判決を不服として9月30日、最高裁に上告しました。
 大村秀章愛知県知事は同日、控訴審判決について「極めて妥当」というコメントを発表。公金支出を正当化しました。
 大村知事は2011年2月の知事・名古屋市長ダブル選挙で事業見直しを掲げましたが、今春の知事選の「政策ファイル」には明記されていません。

?余り水?押し付け

 導水路は揖斐川上流にある徳山ダムの水を長良川、木曽川を経由し、愛知県と名古屋市に引くもの。国の水資源機構が建設し、事業費は約890億円。愛知県負担は約318億円、名古屋市負担は約120億円です。
 愛知県の水道水の需要は横ばい、工業用水は需要が減り?水余り?の状態。愛知用水地域(尾張東部地域)では木曽川の牧尾、阿木川、味噌川の3ダムが水源として稼動し、節水が回避されています。名古屋市でも木曽川の自流と岩屋ダムと木曽川大ぜきの水で足りています。
 後から開発された長良川河口ぜきと徳山ダムの水は余っています。導水路は徳山ダムと長良川河口ぜきの
?余り水?を愛知県と名古屋市に押し付ける、ムダにムダを重ねる公共事業です。

撤退を要求

 8月22日に名古屋市内でおこなわれた「導水路はいらない!愛知の会」の総会で、在間正史弁護団長は「愛知県も名古屋市も事業から撤退するべきだ」と強調しました。