日本ジャーナリスト会議東海など県内の平和団体、民主団体は8月15日「平和を語る八月名古屋集会」を開き、元NHKプロデューサーの永田浩三武蔵大学教授が講演しました。永田氏は番組作成時に自民党から圧力をかけられた体験を証言しました。講演の一部を紹介します。
元慰安婦証言カット
私がNHK在職中の2001年、当時自民党幹事長代理だった安倍晋三首相から報道番組に対する圧力を受けました。
私が慰安婦問題の番組を作成中に、NHKの幹部が自民党本部に呼びつけられました。 そこで安倍氏は番組の内容を同氏の主張に迎合するよう圧力を繰り返しかけてきました。
NHK幹部は私に、番組の中で「慰安婦になった人たちはビジネスだったと紹介できないか」と求めてきました。私は抗議しましたが、番組では被害女性の証言はほとんどカットされることになりました。
首相持ち上げ
安倍首相の戦後70年談話に関するNHK報道は、民放と比べても安倍首相べったりの姿勢が際立ったと言わざるをえません。
70年談話発表の直前にはテロップを流して視聴者への告知をおこないました。災害でもないのに直前テロップを流すというのは普通ありえません。まるで国民に安倍談話を見なさいと言っているようなものです。
当日、夜7時のニュースでは70年談話の解説者は安倍首相を持ち上げ、9時のニュースでは安倍首相本人を登場させて独壇場のようにしゃべらせるという内容でした。
権力の監視を
「あの籾井会長はやめさせられないか」とよく聞かれます。私は「籾井さんのバックには安倍さんがいます。安倍さんを退陣させることがNHK再生への道」と話しています。
いま戦争か平和か、日本が岐路に立たされている情勢の中で、NHKは権力の監視というジャーナリズム本来の役割を自覚すべきです。