愛知県労働組合総連合(愛労連)は19日名古屋市中区の栄ひろばで、最低賃金(最賃)の引き上げを求め、午前0時から午後1時20分まで800分のハンガーストライキ(断食)・座り込みを行いました。愛知労働局や県地方最賃審査会など関係機関に提出する要請署名を市民に呼びかけました。
この日の宣伝では、求人情報誌から収集したパート・アルバイトの時給を地図に張り出す「時給マップ」を展示しました。愛知県の最賃額は現在、時給800円。時給マップ作成を通じ、小売、飲食、サービス業を中心に最賃と同額の800円で募集している例(豊橋のラーメン店、蒲郡市のプール監視員など)もありました。最賃引き上げがパート・アルバイトの賃上げに直結している状況も浮き彫りになりました。
愛労連は今年2月、最賃で1日8時間22日就業して得られる14万800円から所得税、住民税・社会保険料を差し引いた11万5038円で1カ月暮らす「最賃生活体験」を実施しました。
家計簿を提出した60人のうち、収支が黒字になったのはわずか7人。愛労連には「800円では1人で暮らすのがやっと。結婚はできない」「病気のとき病院に行けない」などの声が寄せられました。
愛労連の榑松佐一議長は「消費税率の引き上げなどの影響で物価が上がり、実質賃金が下がっている。地域経済を振興するうえでも賃上げが必要」と述べ、全国一律1000円以上の最賃実現をめざす運動を呼びかけました。
宣伝に参加した女性組合員(58)は「私はパート保育士。昼夜別のところでダブルワークし、生活はぎりぎり」と話していました