愛知民報

【15.05.31】問題だらけ設楽ダム 本村伸子衆院議員、県議団 建設予定地を視察

 
 昨年の衆院選につづく、4月の県議選での日本共産党の躍進は、環境破壊と浪費の大型公共事業の中止を求める県民運動を励ましています。同党の本村伸子衆院議員と新県議らは設楽ダムの建設予定地を視察し、住民らと懇談しました。
 同ダムは東三河地方の豊川上流寒狭川に国がつくる大型ダムで「ムダなダムの典型」と批判されています。安倍自公政権は建設推進の立場。大村愛知県知事も慎重姿勢から建設容認に転換。いま本体工事着工に向かっています。
 本村衆院議員は設楽ダム建設による生態系破壊を国会で追及し、工事中止を求めました。躍進した日本共産党が、住民と国会・県議会と住民を結ぶ新しい力になっています。

中止の声を県議会に 日本共産党県議団に期待の声

 本村伸子衆院議員、わしの恵子、しもおく奈歩両県議は17、18の両日、北設楽郡設楽町内の設楽ダム建設予定地を訪れ、地元住民や「設楽ダムの建設中止を求める会」の人たちと意見交換を行いました。
 一行はダムの堤体の建設が予定されている寒狭川を視察。「清流をせき止めるなんてとんでもない」と声が上がりました。
 住民からは「ダムで流れを止めてしまうと清流は死に、観光もだめになる」「豊川河口の干潟はアサリの産地。川から砂が供給されなくなると、アサリの被害も心配」と自然環境や観光、漁業への危惧が語られました。
 「設楽ダムの建設中止を求める会」代表の市野和夫さん(元愛知大学教授)は「利水でも、治水でも必要はない。建設ありきのダム計画だ」と強調しました。
 参加者から「設楽ダム中止を一貫して訴えてきた本村さんには頑張ってほしい」「県議会にダム中止の声を届ける。共産党県議の誕生は心強い」と期待が寄せられました。 

ネコギギの移植実験 「成功していない」 衆院国土交通委 本村議員が工事中止迫る

 日本共産党の本村伸子衆院議員は20日の衆院国土交通委員会で、設楽ダム問題を取り上げ、建設工事の中止を求めました。
 本村氏は寒狭川に生息しているネコギギ(ナマズの一種)への影響をただしました。
 国土交通省は2008―14年度、約8億7000万円をかけ、ネコギギの移植実験を実施しました。
 本村氏は移植実験の結果、07年に100匹放流し、319日後に0匹、08年は20匹放流し、269日後に3匹を確認したが、その後は調査せず、09年は40匹放流し、190日後には0匹、2013年は37匹放流し、555日後に4匹を確認したが、その後は調査していないと指摘し、「(移植実験が)成功しているとは言えない」と批判。
「ネコギギが生息できる生態系が守られる保証がどこにもない」とと強調。「工事用道路など現地では進んでいるが、おかしい」とダム建設工事の中止を迫りました。
 本村氏は設楽ダムに砂が堆積することで浅瀬や干潟の消失など、三河湾の環境を悪化させることも指摘。「漁業者が心配している」と強調しました。
 太田昭宏国土交通相は建設を進める態度に固執しました。