日本共産党東三地区委員会と同党東三河地方議員団は5月28日、東三河8市町村が設立をめざす特別地方公共団体「東三河広域連合」構想について反対する声明を発表しました。全文を紹介します。
4月23日の東三河広域協議会で、東三河8市町村長による「東三河広域連合(仮称)設立に向けた合意書」がかわされ、各市町村の12月定例議会で同規約の議決を経て、来年3月設立、4月事務・事業実施というスケジュールが示されました。
そのなかで共同処理事務6件、広域連携事業4件、権限委譲事務2件の実施が示されているにもかかわらず、広域連合で取り組む必要性や、権限委譲の見通しが明らかにされていません。かろうじて示されている費用の削減効果では、例えば、介護保険認定事務で年間約3億3千万円削減できるというものの、その中身は従事職員を68人から44人にするなど、むしろ介護認定を機械的に行い、必要な人が受けられなくなる恐れを伴うものです。
実施事務・事業を広域連合で行う必要性から出発せず、実質何も決まっていないなか、住民への情報公開もなく、12月議会での規約議決、来年度からのスタートなどは、きわめて拙速であり、住民無視の暴挙といわざるを得ません。
さらに問題なのは、「東三河広域連合」は事務を際限なく拡大できるという、全国に例のない特徴があり、同広域連合の事務量が増えれば、各自治体の権限が小さくなり、「二重行政は非効率的」と大合併が浮上する仕組みになっていることです。東三河広域協議会で「東三河市」にむけて大合併が検討され、その流れのなかで「東三河広域連合」が提案されてきたことからも、その狙いは明らかです。
平成の大合併で東三河地域では、豊川市・田原市・新城市・設楽町が合併を経験しました。合併で旧町村の役場はなくなり、支所等の機能は縮小され、地域の衰退傾向に「合併しなければよかった」という住民の声は根強いものがあります。しかも地方交付税の合併算定替えが終了する時期をむかえ、合併の痛みが本格的におこるのはこれからです。「東三河市」になれば、周辺市町村がさらに深刻な事態となるのは必至です。
日本共産党東三地区委員会・同地方議員団は、さらなる大合併や道州制につながりかねない広域連合の設置には反対であり、住民のみなさんに、事態の本質と危険性を伝え、住民生活と地方自治を守るために全力をあげます。 以