愛知民報

【14.05.25】安倍自民 大村県政 需要無視の大型事業 西知多道路計画の無謀 

 
 安倍自公政権のもと、県内で需要を無視した大型事業の動きが加速しています。設楽ダム、リニア新幹線関連開発、高速道路、2本目滑走路、巨大架橋…。推進役は財界・大企業。どれも千億円から兆円の規模の巨大事業で、国と県など自治体の借金増大は必至です。需要無視ぶりを空港アクセスの西知多道路計画に見てみました。

1400億円

 
 愛知県が計画している西知多道路は、東海市―常滑市間約19??の自動車専用道路。事業費1400億円の巨額道路です。
 東海市から知多市までは既設の西知多産業道路を片側2車線から3車線に拡幅。知多市内から常滑市までは内陸部に盛土式の道路を新設し、中部国際空港連絡道路に接続する計画です。

空港利用減少

 
 西知多道路の最大目的は、中部国際空港への高速アクセス。
 しかし、同空港の利用は、2005年の開港以降、旅客でも貨物でも減少。旧名古屋空港のそれらを下回る状況です。
 空港への自動車交通量も減っています。空港連絡道路の利用台数は、開港した2005年度の725万台から11年度508万台に低下。道路建設計画時の利用予測の542万台を下回りました。

財界要望

 
 大村知事の愛知県と大企業中心の財界団体・中部経済団体連合会は連名で、中部国際空港の2本目滑走路の整備と西知多道路の建設をセットで政府に陳情しています。
 愛知の空港問題に詳しい林信敏元県議は「滑走路やアクセス道路が足りないから空港利用が減っているのではない。需要の実態です。今後の人口減少を見込めば、2本目滑走路も西知多道路も不要です」と断言します。

バラマキ

 浪費型大型公共事業を推進しているのが自民党です。消費税大増税でえた財源で、「国土強靱化」や「国際競争力」を看板に、大型公共事業に10年間で200兆円をばらまく計画です。
 同党愛知県連は、知多半島と渥美半島に巨大な橋をかけて環状自動車道路網をつくる「メガリング」構想や、リニア新幹線が発着する名古屋駅と県内市町村を30分でむすぶという「100?級道路」建設構想をだしています。

県民の運動

 大型公共事業の膨張と暴走にたいし、道路公害や需要無視の空港関連開発に反対し、環境と住民生活を守る県民運動が活発化しています。

革新県政の会 空港周辺を視察 財政悪化、住民にツケ 常滑市

 
 来年2月の愛知県知事選に候補者を擁立し県民本位の県政実現をめざす革新県政の会は4月27日、中部国際空港(常滑市)を視察する「県政ウォッチング」を行い、県の無謀な開発を実感しました。
 県企業庁が企業進出をあてにして造成した「中部臨空都市」(空港島と対岸部)の広大な空き地に草が茂る様子に参加者から驚きと怒りの声があがりました。
 常滑市では「空港が来れば税収が増えて福祉が充実する」と、借金で道路建設やニュータウン開発を行いましたが税収は伸びず、財政が悪化しています。
 日本共産党の西本まさき常滑市議は「臨空都市への企業進出も地代や固定資産税の減免を伴うもので地域経済にメリットはない」と強調。幼稚園・保育園の統廃合やごみ収集の有料化など住民サービス削減・住民負担増の事例を報告しました。