愛知民報

【14.04.27】愛知の特養ホーム  厚労省発表待機者1万1261人だが 2万人超の集計も

特別養護老人ホーム(特養)の不足は深刻です。安倍自公政権は、特養の入所対象を原則として要介護3以上に制限する介護保険の大改悪をねらっています。介護問題は、来年の県議選をはじめ、いっせい地方選挙の争点になっています。
 

介護地獄

 介護地獄、介護心中、介護離職―介護をめぐる悲惨な状況が続いています。
 認知症の祖母の介護・看取りを経験した本紙・村瀬和弘記者(43)は「夜中に徘徊(はいかい)され、自分の心身が不調をきたしました」と語ります。

もっと多い

 厚生労働省は3月25日、特別養護老人ホームの待機者(入所申込者)の状況を発表しました。2013年4月1日現在、愛知県内の待機者は1万1261人です。
 「もっと多い」という指摘があります。県内の社会保障関係団体や労働組合でつくる「愛知自治体キャラバン実行委員会」の集計では、同年9月1日時点の待機者数は2万2041人。
 愛知県が厚労省に報告した数字について、県の担当課は本紙の取材に、グループホームや老人保健施設に入所しながら特養の空きを待っている人が除外されていることを明らかにしました。

補助激減

 県の特養補助件数が減る一方で、入所待機者数は2001年の1万128人から13年の2万2041人に倍増しています。
 2004年度に約41億円あった県の特養設置補助金は14年度約12億円に減っています。

県は実態踏まえよ 愛知県社会保障推進協議会事務局長 小松民子さん

 国は「サービス付高齢者住宅」(サ高住)など高額な居住費が必要な施設を優先し、特養は後回しにする政策を取っています。愛知県も国に追随しています。自治体の介護・福祉に向き合う姿勢の根本が問われています。
 県はもっと実態を踏まえた調査を行い、特養大幅増設に政策を転換するべきです。 

共産不在で予算減

 日本共産党が愛知県議会の議席を失ったのは2003年の県議選。同党ゼロのオール与党県議会で成立した05年度予算から、県の特養ホーム設置補助金は「増」から「減」に後退しています。日本共産党の議会復活で、特養増設へ流れを変えることが期待されています。

増設求め署名運動

 愛知県の財政力は全国2位ながら、65歳以上人口10万人当たりの介護老人福祉施設数は愛知が全国最下位(総務省まとめ)です。
 日本共産党は、県内各地で介護問題シンポジウムを開き、特養ホーム増設・定員大幅増員を求める署名運動をおこなっています。

「財源はある」

 自然破壊の設楽ダム建設の県負担は1400億円、大企業向け立地補助金は1件最高額100億円…。日本共産党は、こうした大型公共事業と大企業応援への予算バラマキを見直し、特養ホーム増設と介護サービス拡充を訴えています。