愛知県労働組合総連合(愛労連)は4日名古屋市内で、最低賃金(最賃)生活体験報告会を開きました。愛知県の最低賃金は時給780円。1日8時間、22日間働いて得られる13万7280円から所得税と社会保険料の合計2万5160円を差し引いた11万2120円でどんな生活になるのか実際に体験する取り組みです。
体験した52人の組合員のうち、収支が黒字になったのは6人にすぎませんでした。
報告会では、「結婚や子育てなど長期的な人生設計はできない」「朝はおにぎり、昼はご飯に安売りレトルト食品。飲み会はお断り。職場の人間関係がなくなる」「野菜は家庭菜園で作ったものを食べ、スーパーの見切り品を購入しても無理」「風邪をひいたが医者にかかるのは難しい」「新聞代、電話代、テレビ受信料などがかさみ、破たんした」などきびしい発言が相次ぎました。
愛労連の吉良多喜夫事務局長は「昨年は最低賃金の引き上げを求める1万数千人分の署名を集め、愛知労働局や県最賃審議会に提出したことが力になり、愛知県は引き上げ幅が全国一大きかった」と述べました。
報告会に先立って行った宣伝(写真)では、若い女性たちが「780円じゃ安いよね。1000円になったら絶対いいよね」と署名に応じました。
県最賃審議会は、8月ごろの中央最賃審議会の答申を受け、改定額を決定します。
愛労連と自治労連愛知県本部などは5月に最賃引き上げや公契約条例の制定を県や市町村に要請する「春の自治体キャラバン」を行います。