愛知民報

【14.04.13】巨大地震 名古屋市想定 死者 6700人 命守る政治いまこそ

 名古屋市は3月26日、南海トラフ巨大地震による被害想定を公表しました。最大クラスの地震の場合、最大震度は7。津波で市内の4分の1が浸水。最悪では死者約6700人、全壊棟数は約34000棟と予測しています。住民の命を守る政治が求められています。
 

 名古屋市が想定した最大クラスの地震規模はマグニチュード9、震度7。港区金城ふ頭に津波が到達する時間は地震発生後96分、津波水位は最高3・6?。
 港、中川、中村の各区など市南・西部と南、緑両区の天白川沿いでは、津波による浸水と地盤液状化の危険が高くなります。
 火災による死者は火気使用が多い「冬・午後6時」で最大約700人。揺れによる建物の倒壊は約34000棟。液状化、津波、地震火災などをあわせると最大約66000棟が失われます。ライフラインの復旧は1週間から1カ月。しかし、津波で浸水した地域は別。生活への影響では、約34万9000人が1カ月後も避難生活を余儀なくされます。

開発に熱中

 安倍自公政権は「国土強靭化」の名で巨大架橋など災害時に被害を増大させる大型開発を推進しています。リニア中央新幹線が開通すれば、名古屋駅への集中が強まり、多くの帰宅困難者が出ることも指摘されています。
 河村たかし名古屋市長は、名古屋城天守閣の木造復元、名古屋港金城ふ頭へのテーマパーク誘致など?エンターテインメント都市?づくりに熱中しています。
 東日本大震災から3年。被災者の苦難が続いています。南海トラフ巨大地震の発生が予測されるなか、命と安全を第一に守る政治への転換が求められています。

被害軽減できる

 名古屋市は防災対策を講じた場合の被害軽減効果の推計を行っています。
 その内容は、建物の耐震化、家具の転倒・落下防止対策の強化、地震発生後すぐの避難開始、既存の津波避難ビルの有効活用、耐震化率100%で津波からの自力脱出困難者を減らすというもの。全体の死者は4分の1、建物倒壊による死者も4分の1、津波による死者は6分の1に減らせるという試算です。
 しかし、現状は耐震化率84%、家具の固定は55%にとどまっています。津波避難ビルが少ない地域も残っています。高齢者・障がい者など自力での対策が困難な世帯への支援を含め、地域の防災力を高める総合的な対策が求められます。

災害死ゼロの安全・名古屋をつくる 日本共産党名古屋市議 山口きよあき

 10年間、市議会と名古屋港管理組合議会で繰り返し防災問題を取り上げてきました。
 私の質問もきっかけになり、名古屋港高潮防波堤の耐震・耐波性能を向上させる工事が進められています。堀川の水門は24時間常駐体制になりました。金城ふ頭の耐震強化岸壁の設置も約束させ、津波避難タワーが鍋田ふ頭にできました。
 私は議会で自衛隊に石油を納入する中川物産の浮き屋根式石油貯蔵タンクが耐震性能を満たしていないことを告発しました。
 港区と南区の津波想定地域では、すべての小中学校が屋上に手すりを整備するなどして津波避難ビルに指定されるようになりました。街角の海抜表示も増えてきました。建物の耐震補強を地域で進めるための支援施策充実、学区や町内会などが行う地域ぐるみの耐震化促進支援事業の柔軟な運用と助成対象拡大など前向きの答弁を引き出しています。
 家具の固定を徹底すれば、いざという時に脱出できます。津波避難ビルや人工の山をつくれば上に避難できます。護岸や堤防など水際の守りも重要です。
 がんばれば被害を減らせるということも分かりました。東日本大震災の悲劇を繰り返してはなりません。