愛知民報

【13.12.08】愛知県の福祉医療 無料継続か、有料化か

15年知事選・県議選の大争点に

 愛知県は、県が実施している福祉医療制度への所得制限導入を検討しています。11月29日、原則無料の現行制度の継続・拡充を求める革新県政の会との意見交換の席上で、県健康福祉部の担当者が語りました。
 大村秀章知事は今年1月、福祉医療制度に一部負担金と所得制限を導入する「見直し素案」を公表しました。14年度から一部負担金を先行導入し、17年には所得制限を実施する計画でした。
 これに、医療・福祉団体をはじめ県民が反対運動を展開。県内多数の市町村議会が現行無料制度の継続・拡充を県に求める意見書を採択しました。
 行き詰まった知事は6月3日、一部負担金の導入を当面見送ると表明。所得制限導入については、所得を捕捉できるマイナンバー制度実施後を見込んで、引き続き検討するとしました。
 今回の担当者の発言は、知事の言明を受け、所得制限の検討を進めていることを明らかにしたものです。
 県は、1月の「見直し素案」のなかで「見直しに当たっての基本的な考え方」として、「所得制限のみでは事業費への効果がさほどでないことから、一部負担金を導入する」として、県民に負担の重い一部負担金の導入を制度見直しの本命としています。
 県が実施をもくろむ一部負担金は、?通院1回300円、入院1日100円、?通院1回500円、入院1日500円、?通院・入院とも1カ月1医療機関で500円の3案です。
 大村知事は15年までの任期中は一部負担金導入は検討しない考えといわれますが、県は所得制限導入を突破口に、医療機関窓口で患者側に医療費の一部負担の支払いを求める一部負担金の導入をもくろんでいます。
 福祉医療の無料化継続か、有料化かは、15年愛知県知事選・県議選の大争点になります。