最高懲役10年の厳罰をもって国民の目・耳・口をふさぎ、国民主権の根本を破壊する「秘密保護法案」が26日の衆院本会議に緊急上程され、自民、公明、みんなの各党の賛成多数で強行採決されました。
安倍政権は国会に同法案を上程してからわずか2週間の審議で採決を強行。この暴走に県民から怒りの声が上がり、各地で抗議行動が続けられています。
日本共産党は地方議員、予定候補者を先頭に「秘密保護法はアメリカと一緒に海外で戦争する国づくりの一環。参議院で廃案に追い込むまで政府を追い詰めよう」と宣伝に打って出ています。
日本共産党、新社会党、社民党と平和団体が共同する「憲法と平和を守る愛知の会」は、11月30日午後1時半から同法案反対・集団的自衛権容認反対のデモ行進を名古屋市の第2栄公園で行います。
「秘密保全法に反対する愛知の会」は法案が衆院を通過した26日、「情報統制と言論封殺のもとに戦争を遂行し、国内外に多大な犠牲を生じさせた過ちを繰り返してはならない」と同法案の廃案を求める声明を発表しました。同会は連日の宣伝とともに4日に国会要請、6日にデモ行進を計画しています。
医師550人が法案反対 全国初 保険医協会が呼びかけ
秘密保護法案反対のアピールに県内の医師・歯科医師550人以上が賛同しました。愛知県保険医協会(荻野高敏理事長)が11月21日に名古屋市で記者会見し発表しました。
アピールは1日に同会理事会が発表し、8日に賛同を呼びかけたもの。同法案に反対する医師の社会的アピールは全国初です。
荻野理事長は「医師の使命は命を守ることで、平和は何よりも大切」と力説。賛同をさらに広げると表明しました。
板津慶幸副理事長は「法案にある『適正評価』は重大なプライバシー侵害だ。精神疾患や薬物依存など個人の情報について行政機関から照会があれば、医者は答えなくてはならなくなる。守秘義務が侵される」と指摘しました。
アピール賛同者から「原発被災後の放射線データ等についても政府が情報操作するもの」(知立市・内科医)、「父が治安維持法違反で有罪になった。息子として反対」(豊明市・外科医)、「権力者にしばられるのは戦前だけで結構です」(中区・耳鼻咽喉科医)などの声が寄せられています。
会見後、中区栄の街頭で同法案反対の宣伝を行い、30分間で反対署名が70人から寄せられました。
「修正で本質変わらない」 名古屋1500人が集会
「秘密保全法に反対する愛知の会」は11月21日、名古屋市中区で秘密保護法反対の集会を開きました。寒風が吹くなか1500人以上が参加し熱気に包まれました。
同会の本秀紀共同代表は「国会で形ばかりの修正をしても法案の本質は変わらない。すぐに廃案にすべきだ」と訴えました。
県弁護士会の内河惠一氏は「安倍さんは戦争ができる国づくりをしている。国民主権も基本的人権もないがしろだ」と力説しました。
日本ジャーナリスト会議東海の加藤剛さんは「第2次世界大戦中は軍機保護法のもとで子どもの写生すら規制され、三河地震(1945年)の被害状況の報道も禁止された。情報統制を繰り返してはならない」と強調しました。
「国家が国民に対して秘密をつくることは許されない」「秘密保護法は国民の目・口・耳をふさぐ」「戦争へのにおいがする」「スパイを養成する秘密保護法断固反対だ」「日本は国民主権国家だ」―参加者から国会宛のメッセージが寄せられました。
集会後、参加者は繁華街をデモ行進し、市民に同法案反対を呼びかけました。