愛知民報

【13.10.13】国民に大増税、大企業に減税 消費税8%道理なし

 安倍首相が来年4月の消費税率8%実施を表明したことに、県民から「道理がない」と反対運動が広がっています。所得が減っている国民から消費税増税で8兆円をしぼりとり、270兆円もの巨額内部留保をかかえる大企業には減税と大型公共事業をばらまこうとしています。マスコミアンケートで県内の中小企業の68%が増税で「景気が悪くなる」と回答、復興特別法人税の前倒し廃止には7割近くの国民が反対です。消費税増税の4月実施中止へ、これからが正念場です。

撤回せよ

 
 日本共産党愛知県委員会と各地方議員・候補者らは、安倍首相が消費税増税を表明した1日夕方から2日にかけ、70カ所で抗議の訴えを行いました。
 本村伸子県常任委員は名古屋市中区の金山総合駅前でマイクを持ち「道理のかけらもない庶民大増税を撤回させるため、みんなの力を合わせましょう」と呼びかけました。
 消費税をやめさせる愛知連絡会、消費税をなくす愛知の会、愛知県商工団体連合会と各地の民主商工会も、県内70カ所で抗議宣伝に取り組みました。
 2日の金山総合駅南口の宣伝には約30人が参加。通行人から「大企業だけが優遇される政治はおかしい」などの声が上がりました。

財界に 還流

 中日新聞は2日付の社説で、「増税の大義が見えない」と批判しました。
 同紙は「国民から吸い上げた消費税を原資に、財界や建設業界といった自民党支持基盤に還流されたり、減税に充てられる構図である」と指摘しています。

社会保障大改悪 愛知県社会保障 推進協議会事務局長 小松民子さん

 消費税導入から24年過ぎましたが、社会保障は改悪に次ぐ改悪です。政府は今度も「消費税は福祉の財源」と真っ赤なウソをくり返しています。福祉には回っていません。
 生活保護費や年金額など社会保障費が削減される一方、物価は上がり、さらに消費税が増税されれば年金生活者や生活保護受給者はトリプルパンチです。

賃上げに回らぬ 愛知県労働組合 総連合事務局長 吉良多喜夫さん

 大企業がうるおえば、やがて賃上げに回るというのは実態を無視した考え方です。賃金が下がっているところに増税をしたら、日本経済の底が抜けてしまいます。
 政治がやるべきことは、消費税増税を中止し、賃上げすることです。大企業が溜め込んだ巨額の内部留保の一部を活用すれば賃上げできます。

トヨタに消費税還付5年間で1兆3000億円

  トヨタ自動車は5年間で消費税の還付を1兆3000億円受けています。輸出業者は外国の消費者から消費税を受け取れないという理由で税務署が還付金を支払う仕組みです。トヨタ自動車の本社のある豊田税務署は、消費税納税額より還付額のほうが多くなっています。
 税制の専門家は、輸出大企業は下請け企業に身銭を切らせて消費税分を負担していないのに、消費税分の還付を受けていると指摘しています。消費税が10%になれば還付金は2倍になり、大企業の「もうけ」はさらに膨らむことになります。
 

国会論戦で追い詰める 日本共産党 衆議院議員 佐々木憲昭

 安倍総理は「消費税率を8%に引き上げる決断をした」と記者会見しました。国会も開かず、国民の声にも耳を貸さず、このような重大な決定を行ったことに怒りをもって抗議し撤回を求めます。
 大企業の景況感が大幅に改善したといいますが、中小企業の業況判断DIは 製造業がマイナス9、非製造業はマイナス1です。
 中小業者から「もう廃業しかない」、高齢者からは「年金引き下げのもとで増税されたら、どうやって生きていけばいいのか」など、全国津々浦々に怒りの声が広がっています。
 消費税増税で「景気腰折れ」するから5兆円の「景気対策」を行うといいますが、中身は大型公共事業の上乗せ、法人税復興増税の前倒し廃止、法人税減税など大企業奉仕ばかりです。
 庶民から取り上げ、大企業にばらまく。これで、なぜデフレ脱却ができるのでしょうか。消費税増税を「やめる決断」が一番の景気対策です。
 臨時国会の論戦で、徹底的に追い詰めなければなりません。